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ウイスキーの聖地を巡るなら大きめのトランクを空にして行くべき理由

世界的に有名なアードベッグは意外にも小さな蒸留所

 筆者が愛飲するアードベッグ蒸留所では、ランチとツアーの両方を楽しみました。アードベッグは1815年に設立され、200年以上の歴史を持ちます。しかし、所有者を何度も変えており、直近では1997年にグレンモーレンジが買収しています。そのグレンモーレンジも現在ではLVMH傘下になっています。  アードベッグは世界的に有名で、どのバーにも置いてあることが多いことから巨大蒸留所と思っている人が多いのですが、実はとても小さい蒸留所です。ポットスチルも最小の2基しかありません。とはいえ、需要の増大から、ポットスチルと発酵槽を倍増させる計画が進行中とのことです。  ツアー中、発酵槽で発酵したビールのような液体を飲ませてくれました。レア体験で面白かったのですが、飲み過ぎると腹を下すと後で言うのには痺れました  ツアーの最後には、狭い地下倉庫のような部屋に参加者全員で入って試飲を行います。通常販売品のみですが、雰囲気たっぷりで楽しかったです。

アードベッグ蒸留所のウェアハウスです

大麦を粉砕するモルトマシンです

麦汁を作るマッシュタンです

発酵槽は6つあります

ポットスチルは意外にも2つしかありません

ツアーの最後は試飲会です。あえてとても狭い部屋に全員で入り、好きなボトルを楽しめます

 アードベッグ蒸留所ではぜひランチも楽しんでください。パニーニとクラムチャウダーどちらも絶品です。量が多いので男性でもハーフでいいかもしれません。

キルホーマン、ブリックラディを経て最後はアイラ島最古の蒸留所へ

 南の蒸留所の次は大きく北西に向かいますが、その途中にラガン川を渡りました。ラガン川はボウモア蒸留所で仕込み水として使われている川でもあります。これがまた、ウイスキーが流れているのかと思うくらい茶色いのです。汚れているのではなく、ピート層を水が通過して色づいているのです。岸辺に降りて飲んでみたかったのですが、時間もないため撮影のみ。

ウイスキーが流れているかのようなラガン川

 北西には2つの蒸留所があります。その片方が、キルホーマン蒸留所。2005年に設立された新興蒸留所です。124年ぶりに誕生した蒸留所となります。しかも、唯一海岸沿いではなく、内地に建造されました。  ウイスキーになる前のニュースピリッツから、発売されたボトルはすべて飲みましたが、後発だけあり、ずるいぐらい美味しく仕上がっています。ちょっとお高めでコスパは微妙ですが、力強くピーティで癖になること請け合いです。  ここにもカフェが併設されており、たくさんの人がいました。ギフトショップも大きいのですが、フェスティバルボトルはありませんでした。がっかりしていると、クリスティーンさんが何かスタッフに話しかけています。すると、その後、スタッフが奥に残っていたフェスティバルボトルを持ってきてくれました。もちろん、即買いです。しかも、近くにいたゼネラルマネージャーにサインするように頼んでくれました。とても嬉しいのですが、開封しづらくなってしまいました。

キルホーマンは自社でも相当量の大麦を栽培しています

キルホーマン蒸留所はまだ小さいですが勢いを感じます

小ぶりのポットスチルが2基だけあります

 続けて、近くにあるブリックラディ蒸留所に伺いました。ノンピートの「ブリックラディ」とピートを効かせた「オクトモア」や「ポートシャーロット」を生産している蒸留所です。また「ザ・ボタニスト・ジン」も製造していることでも有名です。  ビジターセンターでは、誰でも購入できるハンドフィルボトルが2つ用意されていました。ヘビーリーピーテッドのポートシャーロット2007と、ブリックラディ2005です。ここのハンドフィルのラベルには、従業員の顔と名前が印刷されています。今回は、44人目のGeraldine Le Garrecさんでした。バーボン樽のファーストフィルで13年熟成です。従業員が誇りを持ち、モチベーションアップにもつながるもので、素晴らしい取り組みだと感じました。  ギフトショップも広く、ボトル以外にも大量のお土産を購入しました。

ブリックラディ蒸留所です

ポートシャーロットとブリックラディのハンドフィルが用意されていました

当然、両方の両方ともハンドフィルしました

 2日目最後はボウモア蒸留所です。1779年に創業したアイラ島最古の蒸留所です。ちなみに、スコットランド最古の蒸留所は1775年創業のグレンタレット蒸留所です。
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