第538回 7月20日「声で生成し、声で完成する」
―[渡辺浩弐の日々是コージ中]―
・拙著『令和元年のゲーム・キッズ』 (星海社FICTIONS)発刊を記念して、人気声優による朗読ライブイベントを行うことが決まった。出演は加隈亜衣さんと関俊彦さん。日時は8月5日19:30~。場所は渋谷の「東京カルチャーカルチャー」。
→『令和元年のゲーム・キッズ』豪華声優朗読ライブ&本書解説トーク!
・仕掛け人は、星海社の太田克史さんとマウスプロモーションの納谷僚介さん。当代きっての声優さんがゲーム・キッズを朗読する企画は、最初は2013年(『2013年のゲーム・キッズ』発刊時)に中野ブロードウェイ「Kカフェ」にて10週連続で行われ、その後、「マチ★アソビ」期間中にufotable CINEMAホールでの公開イベントとして数回開催されている。太田さんと納谷さんが手間をかけ長年にわたって、声優ファンにも小説のファンにも納得のクオリティーを仕上げてこられた企画であり、原作者としても、映画化やアニメ化とは別の興奮がある。
・『令和元年のゲーム・キッズ』はほぼ全編音声入力で書いた作品群である。「声」を材料に造られた本なのだ。超一流の声優さんのパフォーマンスによって、これらが一つの完成形に至るわけだ。新しい「物語」の成立プロセスとして、業界の皆さんにも注目してもらいたい。
・余談だけど、東京カルチャーカルチャーのイベントに出るのはちょうど10年ぶりのことだ。前回は「一瞬で雑誌を作ろう」という企画に呼んでもらったもので、ステージ上で小説を書いてその場で仕上げていた→2009年9月5日「ノベライブ」。ノベライブという言葉を使ったのもこの時が最初だ。10年かけて一歩だけだけど、前に進めた。
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。
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