「夫だから/嫁だからこうすべき」という呪縛から解放され自由を得られた
―[鳥飼 茜]―
男女のすれ違いや女性の心の機微を巧みに描き、「何か見透かされている」と、ときに世の男性を戦々恐々とさせてきた漫画家・鳥飼茜氏。氏がこのたび、“喪失”をテーマに、友人の死や夫婦の在り方に切り込んだ新作が『サターンリターン』だ。主人公は小説家の加治理津子。宣言通りに自ら命を絶った親友・アオイの死の真相に迫るべく、彼と縁のある人や場所を訪ねていく。他人の人生の断片を拾い集める過程は、自分の人生と向き合うことでもあり、同時に、他者との間の信頼を揺るがせる一面も持っている。
社会が望む夫婦の形を手放すことで、信頼が担保される
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『サターンリターン』 理津子の親友・アオイは生前の言葉通りにこの世を去った。大切な人の死、夢、夫婦生活――。人生のさまざまな喪失と向き合う、『週刊スピリッツ』で連載中の衝撃作 |
『ロマンス暴風域 (2)』 肩書、年齢、男性であること――。目を背けることのできない現実に惑う主人公が求める、真実の愛とはなにか。“恋愛弱者のロマンス"ここに完結 |
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