転職を成功させるコツは給料や労働時間ではなく自分の過去にある
たくさんの過去から、そうした想い出を思い出すには、それなりに時間がかかる。あるシステムエンジニアの男性は、転職のために一年を費やした。転職前は裏方として働いていたが、顧客の顔が見えないことにだんだん不満を覚えるようになった。だから転職先は、顧客と直接やりとりするコンサル色の強い仕事を選んだ。
彼は転職を考える少し前に家族を亡くしていて、ずっとそのことと向き合っていた。彼から送られてきたメールには、「僕が太陽になって、皆んなが自然体で居られるようにしたい」と書かれていた。言葉にすればたった一文だが、そうした自分の想いに気づいて、現実に反映させようとすると一年くらいかかるのが人間だ。
もちろん、人によっては全く正反対の答えを出す人もいるだろう。表舞台ではなく裏方として働き、自分の所属しているチームを成功に導くことを望むことも間違いではない。人にはそれぞれ個性があり、答えもそれぞれ異なってくる。
時には転職について考えた末に、「転職の必要がない」と気づく場合だってある。自分について振り返ることで、「どういう人(同僚)と一緒に、どういう人(顧客)と働きたいか」が明確になった結果、それが今の職場でできることだったと気づくかもしれない。すると今までと同じ職場にいながら、今までとは違った働きができるようになる。
いずれにせよ大切なのは自分の心を形にすることだ。そして心は「物」ではなく、「人」でできている。「自分がどんな人々に囲まれていたいのか」を知るために、まずは「自分がどんな人々に囲まれていた時に喜びを感じていたのか」を思い出してみてほしい。私たちの望む未来は、常に私たちの過去から見つかる。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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