気の向くままに美女に声をかける…そんなナンパ師の存在にイラだちを覚える読者諸兄は多いだろう。が、彼らは成功の倍以上、失敗を経験をしているのも常。そして、なかには笑いごとでは済まないような体験をした者も…。 「しょっちゅうクラブでナンパしている僕ですが、あんな経験は初めてですよ。まさか自分が面倒に巻き込まれるとは…」 　こう語るのは、アパレル企業で販売を担当する菱川雅之さん（仮名・35歳）だ。 「クラブが好きで、よく女の子をナンパしています。27歳OLのアリスとも、クラブで知り合ったんです。目が大きくてくりっとしたところがアイドルっぽく、雰囲気も清楚な感じがしたのでいいかなって」 　だが土日出勤で平日休みの菱川さんとOLのアリスさんは、互いのスケジュールなかなか合わない。デートをしたくてもできない日々が続いたという。 「デートの誘いが来るたびに『土日は忙しくて休めない』と言っていたのですが、毎回のように拗ねるんです。はじめはそんなところも可愛くて好きでしたが、LINEを返信しないと鬼電が来たりして。自己中すぎて無理だなと、別れることにしたんです」 　しかし、別れて半年以上経ったころ、アリスさんから突然LINEで「できちゃった」との報告が。妊娠4か月だったという。 「計算したら誰でもわかることですよ。僕の子じゃないって。僕をだまそうとしていることはすぐにわかりました」 　だが菱川さんは、アリスさんが指定したカフェに出かけた。すると、彼女はなんと「産みたい」と言ってきたそうだ。 「『産む、産まないは、君の自由。だって僕の子じゃないから』と言うと、アリスは『あなたの子よ』と言い張るんです。『僕の子ではないから、本当の父親と相談したほうがいいよ』と諭すと、『あなたが認めないなら産まない。その代わり、慰謝料をちょうだい』と大泣きするんですよ」 　まさかの修羅場を迎えたわけだが、菱川さんは冷静だった。 「理詰めで説得し続けました。僕とアリスが別れたのは半年以上も前で、もしその間に子供ができていたとしたら、もっとお腹が大きくなります。僕の姉が妊娠した時もそうでしたし。でも彼女の体型はまったく変わらないから、明らかにうそなんです」