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「40代以下の管理職がいない会社」は要注意。転職したほうが良いかも…

 副業、転職、早期退職、定年の70歳引き上げなどで多様化するサラリーマン人生だが、多くの平凡な会社員は「今いる会社で定年まで働き続けたい」というのが本音。だが、本当に今の会社で70歳まで安泰な人生を送れるのか。やる気やモチベーションを維持し働き続けられるのか。倒産、もしくはリストラされ路頭に迷うようなことにはならないのか。新たな時代の企業の見分け方を専門家が伝授する。 会社

若手・中堅・高齢社員の分布に注意せよ!

 現在、ほとんどの企業では50代の社員がボリュームゾーンだが、彼らが軒並み60代を迎える2030年の人口分布予測(※)では、人口比率の逆ピラミッド化がさらに加速。 働き続けていい会社「現在高給取りの50代が多く、40代以下の管理職がいない会社は先行き不安。将来、30代が管理職になり、スキルが陳腐化した40代は年下上司の下で有能な20代と競わされます」(人材育成を支援するFeelWorks代表の前川孝雄氏)  理想は社員の平均年齢が35歳未満の若い会社だが、実際には50代と20代ばかりで中間層が少ない会社もあるため、注意が必要だ。 「30代なのに同じ人が何年も部署の最若手でいる会社は危険でしょうね。また、上司ではなく部下が職場の火消し役になってるのも要注意。周りにロールモデルがおらず、何かあれば部下が責任を取らされる会社です」(人事コンサルタントの城繁幸氏)  仕事の中心を担うエース級の人材も大きな見極め材料だ。 「新規事業や新卒採用者が配属される部署に、エース級が1人はいるようなら当面は安心。逆にいない場合は、その会社は人材不足に陥っている疑いがある」(ブラック企業アナリストの新田龍氏)  また、入社半年以内で超早期離職した社員がいる会社は、「企業側の採用方針が古かったり間違ったりしているケースが多い」(城氏)ので注意が必要。  ほかに「役所のように人がだぶついてる会社は、既得権益や儲かる仕組みがある証拠」(経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏)、「いまだに女性が力を発揮できずサポート要員に留められている会社に未来はない」(前川氏)といった判断材料も。  社内の人の動きをしっかり見ておく必要がありそうだ。

<働き続けてもいい会社の見極めポイント・人材編>

※上から順に、働き続けると危険度が高い 1.ボリュームゾーンが50代で40代の管理職がいない 2.30代の社員がずっと部署の最若手のまま 3.仕事の尻拭いを部下にさせている 4.入社半年以内に辞めた超早期離職の社員がいる 5.新規事業がある部署にエース級の人材がいない 6.女性社員の顔面偏差値がなぜか異常に高い 7.社員の平均年齢が35歳未満で中間層の空洞化もない 8.ヒマそうな社員、異端児的な社員がぬくぬくしている 【FeelWorks代表・前川孝雄氏】 独自開発した「上司力」「50代からの働き方」研修で400社超を支援。共著に『一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社) 【人事コンサルタント・城 繁幸氏】 Joe’sLabo代表取締役。労働・雇用問題に若者の視点を導入。著書に『7割は課長にさえなれません』(PHP研究所)など 【ブラック企業アナリスト・新田 龍氏】 働き方改革総合研究所代表。新刊の『ワタミの失敗』(KADOKAWA)ほか、ブラック企業の問題や働き方に関連する著書多数 【経営戦略コンサルタント・鈴木貴博氏】 百年コンサルティング代表取締役。大企業の経営戦略コンサルのかたわら、近著に『格差と階級の未来』(講談社)など著書多数 ※1920~2010年:国税調査、推計人口、2011年以降:「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」を基に編集部が集計 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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