更新日:2019年10月18日 22:41
仕事

とっとと転職すべき? 働き続けていい会社とダメな会社の特徴

 副業、転職、早期退職、定年の70歳引き上げなどで多様化するサラリーマン人生だが、多くの平凡な会社員は「今いる会社で定年まで働き続けたい」というのが本音。だが、本当に今の会社で70歳まで安泰な人生を送れるのか。新たな時代の企業の見分け方を伝授! 働き続けていい会社の特徴

働き続けていい会社の特徴

 安心・安定のために定年まで居座りたいと願うのが会社員だが、とどまってでも働き続けたい価値のある会社は、今の日本企業には意外と数少ない。その理由を人事コンサルタントの城繁幸氏はこう語る。 「’08年のリーマンショック以降、削られ続けた日本企業の体力も限界に達し、リストラや早期退職がルーティン化しつつあります。損保ジャパンが介護分野への配置転換を含めた4000人の人員削減を発表しましたが、このような畑違いの部署や異業種子会社への島流しなど、これまでにない新たな荒業もまったく厭わなくなった。特に、大手企業は逃げの口上として賃金3割カットも平気で断行するように。会社員の特権であった賃金保障という大前提が揺らぎ始めています」  また、働かなければいけない年齢が引き上げられつつあることも、一つの会社で働き続ける意味やモチベーションを失わせつつある。 「そもそも“逃げ切る”は、60歳定年を前提とした考え方。万年ヒラで仕事がつまらなくても、残り10年辛抱すれば退職金がもらえる時代だったから我慢できた。対して今は、退職金も当てにならないうえに、年金受給年齢が近々70歳に引き上げられると言われており、70歳まで働き続けなければいけない時代がそこまできている。新卒入社で45歳まで勤めてもまだ折り返し地点手前。60歳以降も働き続ける前提で人生設計が求められる時代に、一つの企業に執着するメリットは少ない」(城氏)

生産性の低いダメ社員を見限る大手企業も

 問題はまだある。東京商工リサーチの調べによると、全国で休廃業・解散した企業の件数は、’13年が3万4800件だったのに対して、’18年は4万6724件と年々増加している。これは、後継者や人が集まらないために事業継承がうまくいかず、休廃業に追い込まれる会社が増えていることを示している。人口が減っている日本では、こうした休廃業は今後も増えていくことが予想される。  ブラック企業アナリストの新田龍氏は「こうした状況が、企業規模にかかわらず起きていることが問題。優良企業の見極めは今後ますます難しくなるでしょう」と注意を促す。 「働き方改革により従来の日本型雇用を維持できなくなった大手企業も生産性の低いダメ社員を見限り始めています。企業規模にかかわらず、『成熟産業か、参入障壁の高い規制産業』『独自の強みを持ち、安定したシェアを確保』『過剰な営業がない』『倒産しにくい』、これら4条件を満たした“ホワイト企業”でない限り、定年まで働き続ける価値があるとは言えません」  人材育成を支援するFeelWorks代表の前川孝雄氏も、次のように語る。 「大規模な金融緩和策の影響でお金が余り、企業はキャッシュの調達が比較的容易になっています。その結果、表向きは延命措置を施されたゾンビ企業が増え、沈む船を見分けるのが難しくなっています。判断を誤って乗り続ければ、致命傷になりかねません」  「一番の悩みどころは40代」と指摘するのは、経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏だ。 「50代のように逃げ切れない40代は、既得権にしがみつくメリットと、その代償として社内で腐っていく虚しさ、まだギリギリ冒険できる可能性の間で板挟みになり、判断を誤りがちなんです」  働き続けてもいい会社なのか、年代別に見極めのポイントを下記にまとめた。自分の会社が当てはまるかどうか、転職すべきか考えてみたらいかがだろうか。
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「働き続けていい会社」のポイント
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