町田直希騎手がファインプレーで本命馬を完封!
この突っ張り先行は「シトリンちゃんならこのレースができる」と信じた町田騎手のファインプレーで、これが大当たりします。まず「アンコ」で一番しんどそうな位置にいたエースソフィアが脱落、続いて4番のケイエストビーが脱落。最後まで残っていたホワイトベリーもケイエストビーの粘りに手こずったのか、4コーナー前に少しヨレかかっています。
後続をグングン離す! NAR公式の中継より
直線に入ってからの追い比べは差が縮まるどころか広がってゆきます。スタンドから「町田!町田!」「まちだああああっっ!」と仲間の大コールを背中に受け、シトリンちゃんはホワイトベリーに5馬身差をつけ、先頭でゴール板を駆け抜けました!!
圧勝と言える着差ですが、ホワイトベリーにはスタート直後のまごついたときに森騎手がステッキを落としていたという不運があったようです。VTRを見ると、確かに手で首をはたいて追っていました。シトリンちゃん本当に運があるな……
ムチを失い手で追っていたホワイトベリー(左) NAR公式の中継より
シトリンの勝ちタイムは1.32.6とこの日の新馬戦3鞍で最速、3レースの新馬戦に出ていた名馬主・岡田総帥の秘蔵っ子・エンすら上回っていたので、もしステッキを落とすアクシデントがなかったとしても、十分にシトリンちゃんは勝ち負けしていたと思います。終わってみると、馬の実力的にも負けていないレースでした。
何はともあれ、吉田善哉さん以来の伝統の勝負服を背負った、募集価格700万円の社台の本命馬を倒したわけですから、素直にシトリンちゃんをほめてあげたいです! そしてギリギリの仕上げで本番に臨んでくれた佐藤博師と女将さん、成瀬厩務員、ナンバーナインホーストレーニングメソド(育成牧場)のみなさん、鮫川牧場のみなさん、優しい浦河町のみなさんに心から感謝です。この一勝はチームの努力の積み重ねあってこそです。
そして競馬場現地で競馬仲間や読者のみなさまに祝福いただき、人生最高の一日になりました。
ゴール後は集まってくれた仲間や読者の皆さんと雄叫びをあげ、握手、ハグの連続。男泣きしながら口取り写真を撮影するまで、ほんとうに一瞬の出来事のようでした。
馬主席に戻っても祝福の嵐で、みんな5千円、1万円と単勝や3連単を買い込んでいてニッコニコのホックホク。馬主なのにどうして千円しか買ってないの、とみんなに笑われてしまいました! シトリンちゃんは馬主だけではなく、応援団のみなさんも幸せにしていたようです。この記事の担当S氏も無言で単勝を見せつけて満面の笑顔でした。
これだけ強いのにどうして馬券が売れていなかったか?
シトリンちゃんの最終オッズは単勝550円。かなり離された2番人気で、競馬新聞や予想家のみなさんは思いっきりホワイトベリーに◎を入れていました。勝ち馬主の私ですら、時間があったら馬単の1-5をしこたま買おうと思っていたほどです。が、実際ははじめから力差はなかったとも言えます。
さらに、北海道から応援に駆けつけてくれたナンバーナインの社長に感想を聞くと「新馬戦は勝たせるって言ったでしょ!」とサラリ。関係者は馬主以外、はじめから横綱相撲を取るつもりだったわけです。
もろもろ振り返ってみると、新馬戦はデータが少ないので競馬新聞から読み解ける部分が少なく、その結果として安心の社台ブランドに人気が集中していたということでしょう。新馬戦は育成の過程についても検討要素にいれないといけないな、と思いました。
シトリンちゃんに関しては、生産・育成がともに浦河町内で完結していたこと、育成牧場と厩舎とで申し送りがきちんとされていたことが大きかったと思います。もちろん社台のみなさんもこれらを完璧にこなしていたはずですが、もう一頭同じようにこなした馬がいたということです。
氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:
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