お金

趣味を生かしてお金を稼ぐコツ。趣味のレベル自体は成功と無関係

「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?

まずはできることから考えるのも手

 休日など自分の時間を割いて行う副業だからこそ、好きな趣味やライフワークを生かして、自分らしくやりがいを感じる仕事でお金を稼ぎたいという人は少なくないだろう。 “好きなことを仕事にする”趣味起業コンサルタントとして活動し、これまで400人以上の趣味起業家を育ててきたという戸田充広氏。実は戸田氏のもとには「この趣味で稼ぎたい」と明確に決まっている人だけでなく、「趣味がない」「趣味起業したいけど、やりたいことがわからない」という人からの相談も少なくないとのこと。

戸田充広氏

「そういう場合は好き・嫌いを抜きに自分ができそうなこと、今まで自分が経験してきたことを書き出す“棚卸し”から始めましょう。この話題なら1日中でも語れるということ、子供の頃にハマっていたことなどをヒアリングしていくと、どんな人でもいくつかは『昔こんなこと好きでした』『こういう作業が好きで』みたいな傾向が出てくるものです。その中でこれから仕事にするときに、どれがいいかをまず考えます」  本人も意識していなかったような強みに気づき、仕事にしていくことができるのは趣味起業の大きな魅力。本業で培ったスキルなどを趣味起業で活かすことも考えられるかもしれない。 「とにかくどれかひとつ当たりをつけて動き出してみることが趣味起業では大切です。具体的にはブログを書いたり、SNSで発信したり。その段階で続けられない、つまらないと思ったらやめて、ほかの候補をやってみるみたいなことでいいんです。そのうち意外なところで楽しさが見つかり、想像以上にハマっていくという人も多いので。  結局、頭の中でいくら考えても答えは出ませんし、趣味起業で失敗したからといって大きな負債を抱えるようなこともまずありません。労力が少し報われないくらいのものですから、モヤっとしているだけで月日が流れていくほうがもったいないと思います」

魅力的な企画やアイデアを生み出すコツ

仕事

※写真はイメージです(以下、同)

 趣味起業を始めるにあたり、「自分の趣味は人様からお金をもらえるほどのレベルなのか」という懸念が誰しも湧いてくるが、「どんなレベル・ジャンルでも趣味起業を成功させられる可能性はある」と戸田氏は強調する。 「イラストを描くのが好きな相談者で『自分より上手い人はいっぱいいる』と言って躊躇される方もいましたが、イラストの上手・下手は個人の好みなど相対的なもので、自分より絵がうまい人は一生いなくなりません。  例えば、将棋で趣味起業したい人でも、プロレベルまで将棋の腕を磨くのは現実的ではない。それより自分と同レベルの人や自分よりもレベルの低い人のほうが世の中にはたくさんいるわけで。その人たちに目を向け、どんなサービス・商品を提供できるかがポイントです」  自分の趣味の習熟度を向上させる努力はもちろん大切だが、競技の世界でも趣味の世界でも超人的な“プロ”だけがお金を稼ぐわけではない。戸田氏は身の丈にあった商品・サービス展開を“ぶさいくスタート”と呼び、推奨している。 「将棋にハマって3か月の人でも将棋のルールは教えられます。入門書を読めばわかると思うかもしれませんが、読んだけど質問がある人や動画や音声で教えてもらいたい人のニーズはキャッチできるかもしれない。もちろん、よくあるサービスでは人が集まりにくいので、趣味起業を成功させる上ではいかに情報発信して知ってもらうか、独自のサービスを展開するかという創意工夫は必要です。でも、趣味のレベル自体は関係ありません」  自分よりレベルの高い人の目が気になるという感覚もあるが、お金を払う価値があるかないかは基本的にお客さんが決めること。おじいちゃんやおばあちゃんにパソコンの基本的な使い方を教える町のパソコン教室に、「俺でもそれくらい教えられる」という理由だけでイチャモンをつけるほど無駄なことはない。そもそも等身大の“ぶさいくスタート”でなければ、マッチングしたお客さんの高い期待に応えられず長続きしない問題もある。 「将棋のルールを知らない人は格上のプロ棋士みたいな人にいきなり基本的なルールの質問はしにくいでしょうし、そういう気持ちを理解しやすいお客さんを想定して、強みとして趣味起業で活用したほうがいいです。  ある“歴史好き”の相談者は戦国時代の城跡が好きで、“城跡談義”をする1人5000円のお茶会イベントを開いたら同好の士が3人も来たんです。その1万5000円が趣味起業で彼が得た初めての収入だったんですが、自分が想定したお客さんのポイントを踏まえ、そのニーズに合ったサービスを提供すれば、趣味が世間的にメジャーかマイナーかも関係ありません」
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メジャーな趣味だと競争相手も多くて難しい…
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