更新日:2019年12月27日 11:11
仕事

悪くないのについ謝ってしまう人に必要な思考法<歌舞伎町10億円女社長>

わざとグラスを床に叩きつけた事件

 そのお客様は、席についたときから、クレームの嵐でした。「この店はたいして女の子が可愛くもないのに高いよな」「スタッフの対応も悪いし…」。ぶつぶつ文句を言うお客様の横で、わたしはずっと「すみません」と謝っていました。  しばらくして、事件は起こりました。キャバクラは1時間制なので(正確に言うと50分くらいたった頃)、スタッフが氷を交換しに来たところ、明らかにお客様がわざとグラスを床に叩きつけたのです。  そして、スタッフに「お前なに粗相してんだよ!」と食ってかかりました。スタッフはびっくりして、とっさに「すみません」と謝りました。  わたしも謝りましたが、コトはどんどん大きくなっていきました。お客様は「店の粗相なんだから会計を払わない」とか「お酒で汚れたカバンとスーツは合わせて300万円する。台無しだから弁償しろ」と、びっくりすることをたくさん言ってきました。

クレーマーを追い返したオーナーの対応

ビジネスマン わたしとスタッフは、なんだかわけがわかりませんでしたが、とりあえずひたすら謝っていました。そこへオーナーがやってきました。オーナーはわたしたちに事情を聞いてきました。  でも、お客様は怒り狂っているし、だれの肩を持ったらいいかもわからずに、わたしたちは黙ったまま下を向いてしまいました。すると、オーナーはお客様に毅然とした態度で言いました。 「うちの従業員が粗相をしたのに、黙って俯いて謝らないことはないと思います。でも、うちはカメラがついているわけではないから本当のところはわかりません。今日のお代は結構ですから、もう帰ってもらってもよろしいでしょうか?」  お客様はプライドを折られたからなのか、オーナーの襟首をぐっと掴みました。それでも、オーナーは一言も謝ることもなく毅然としていました。  たぶん、オーナーが席に着く前に連絡をしていたのでしょう。15分くらいで警察官が来て、お客様は無銭飲酒で警察署に連れて行かれてしまいました。
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営業職になって「謝罪の本当の意味」を理解
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新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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