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副業会社員が、50万円で開業・粗利は月40万円の意外なビジネスとは

 つまりメンズエステの開業は、ある程度の人脈やコネクションを持っているという前提があれば、決して高いハードルではないと言えるのだろう。しかしその分、簡単に始めることはできるが、女性スタッフを確保しきれず潰れていく店はままあるようだ。無事開業までこぎ着けた出店当時はどのくらいの利益をあげていたのだろうか。 「初月は40万くらいですね。お客さんの平均単価は約2万円なのですが、基本的に売り上げはスタッフと折半しています。つまり、一人くれば半分の1万円が店の取り分となり、1日2人くれば30日で60万の取り分となる。マンションの家賃や光熱費や広告費で大体20万程かかっていたので、それを差し引いても1部屋で約40万と大幅な利益が出ました。女の子以外の事務スタッフを雇わず、事務的なところは自分でしていたのでそれで浮いたというのもありますが」

Twitterは重要なマーケティングの柱

 山脇さんの経営するメンズエステサロンが、開業初月で大きく利益を出すことができたのは、人件費の削減は言わずもがな、TwitterといったSNSを活用し効果的なマーケティングをしていたところも大きい。特に、前情報のない新規出店の場合、スタッフが店舗用のSNSアカウントを作成し顧客見込みとコミュニケーションをはかることで、新規顧客の獲得へ繋がるケースもある。  こうした戦略を用いて着実に利益を出してきた山脇さん。しかし経営というのは順調なことばかりでは当然ない。エリアごとに課金されるという広告費を節減するために、同商圏内に二店舗を移転したタイミングで幾つか経営上の失敗もしたそうだ。 「別の地域に出せば全然別のマーケットを取れますが、同エリアに出店したのは失敗でしたね。単純にお客さんが分散されて売り上げが二分の一になってしまう。そのせいで女の子の稼ぎも半分になっちゃって、女の子が辞めちゃったんですよ。そこから今年になって経営状態がきつくなりました。  あと、メンズエステって部屋の数分しかスケールしないから、ネットビジネスのように青天井で儲かるということはない。開店し始めた頃よりも店が増えて競争も激しくなっている。そこが今後の課題ですね」  ドミナント出店する戦略が仇となり、少ないパイを取り合い自滅してしまう結果になってしまったと山脇さんは語る。今後は固定費削減のため同商圏のうち一店舗を売却し、スケールする他分野のビジネスに鞍替えすることも視野に入れているそうだ。  最近はメンエス人気に拍車がかかり、そろそろ都内はレッドオーシャンなのでは? と語られることもあるメンズエステ。タピオカの裏で隠れたブームだったが、2020年も男たちを癒し続けられるのだろうか。<取材・文/山田星人>
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