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ボートレースのSG優勝戦で6号艇が1番人気?! 現アンバサダー・植木通彦のモンキーターン伝説

<江戸川乞食のヤラれ日記S> =ここでは昔の話をしよう・3=  これはまだボートレースが競艇と言われていた時代の話。  モータボート競走の名称を平成9(’97)年度に統一した「競艇」「KYOTEI」を平成22(’10)年度に「BOAT RACE(ボートレース)」に変えてから今年で10年目に突入。気がついたらもう10年なのかというくらいに、いまだにボートレースという言い回しに慣れないという客もまだまだ多いとは思うが、確かに競走内容はその頃よりも変わってきている。

昔はSG優勝戦もすべて枠番抽選だった

 例えば艇番。枠なりを是とする現状のルールでいちばん不利な立場に立たされる6号艇。SGやG1の優勝戦で6号艇に回ると露骨に嫌な顔を見せる選手もいるくらいには不遇の枠のように思われている。この扱いは自由進入の頃から変わらず、真偽のほどは不明だが、1枠から6枠まですべて抽選で決められていた昔、その節を得点率1位で優出した選手が優勝戦で6号艇を引き当ててしまい、怒って優勝戦を走らずに帰郷したというエピソードも伝わっている。  それでも当時は、1号艇以外に置かれると確実にインコースを奪いに来る前ヅケ屋の存在や、インコースまで取りに行かなくても、必ず自分がカドに引けるようにコースを主張するセンター屋など、本来のレースでの技量だけに限らず、待機行動の段階でさまざまな戦術が「競艇」では展開されていた。  例えば、6号艇や5号艇の選手が、コースを取る気はなくても進入時にコース取りの気配を見せ、内側艇の進入をかき回し、インコース選手の起こし位置やスタート勘を狂わせて1Mを有利に攻めるというのがダッシュ勢や前ヅケ選手の技量として評価される時代でもあった。  とはいえそこまでしても、1コースを取りきった選手が深い進入でもあっさり逃げきるという展開も多々あり、なおさらレースを走る前の1コースをどう取るか、守るかという駆け引きが対戦する選手の間によっては本来のレースよりも重要で、待機行動が名勝負だったというようなレースもあった。これは競艇の時代も、ボートレースの現在でもインコース有利という状況は変わっていないということでもある。

モンキーターンの出現で変わった進入へのこだわり

 平成5(’93)年の戸田SG総理大臣杯(現・ボートレースクラシック)で植木通彦がそのモンキーターンを駆ってSG初優出・初優勝をなしとげて以来、当時の若手を筆頭にほぼすべての選手がモンキーターンに挑戦していった。  この頃がいちばん楽しく、そして予想が難しかったという古い客も多い。  というのも、つい数年前まで選手はインコースを狙って進入からもつれるようなレースをしていたが、モンキーターンを修得した若手はあまりコース取りに熱心ではなく、枠なりあるいは前ヅケ選手にコースを譲り、その旋回速度の差でコース不利をおかまいなしに克服していくことが多かったからだ。  ……しかし、それでも強い選手も6号艇に置かれると人気を落とし、極端なことを言えば1号艇のB1級選手に1番人気を譲ることもあり、ましてやSGやG1のレースで6号艇が1番人気に推され、そのまま決まるということは稀であった。  しかし、1コースの選手までがモンキーターンで旋回するようになるとふたたびインコース有利の状況に回復しはじめていた。
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6号艇が1番人気のSG優勝戦
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