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JALの実力はホンモノか?破たんから10年、財務諸表には怪しい影…

JALの今後を占う「フィロソフィ教育」とは?

 では、JALは今後、順調なビジネスの旅を歩むことができるのでしょうか。そのヒントとなるのが、JALの有価証券報告書にも記載がある「JALフィロソフィ教育」です。  これは、京セラ創業者の稲盛和夫会長(当時)が、破綻後のJALに「アメーバ経営」と「JALフィロソフィ」の教育を社員に導入したものを指します。  JALフィロソフィは、「人間として何が正しいかで判断する」「正しい仕事は何か」を考え抜く企業風土を社内に浸透させること。アメーバ経営にかんしては、以前の記事「京セラを“60年間黒字”に導いた稲盛和夫氏のすごすぎる経営手法を5分で解説/馬渕磨理子」で解説していますので、こちらをご覧ください。  大規模なリストラや政府による優遇があったとはいえ、JALのV字回復の背景には、こうした企業風土の改革があったことは間違いありません。  もし、JALの企業のフィロソフィーがより徹底されれば、直近問題となっている純利益率と営業利益の低下、そして販管費の増加問題は解決されると私は信じています。  ちょうどいま、JAL107便(8時30分羽田発伊丹行き)のフライト前、エアポートラウンジでこの記事を書き終わりました。日本航空の“事業”という名のフライトが、順調に飛行できることを祈って、搭乗ゲートでQRコードをかざしたいと思います。
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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