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業界5位の「マツモトキヨシ」は今年首位に返り咲く…その理由は?

 ドラッグストアと聞いて、真っ先に浮かぶお店はなんでしょうか。  都心部に住む方なら、「マツモトキヨシ」を挙げる人は少なくないでしょう。では、ドラッグストア業界売上1位がマツモトキヨシ(以下、マツキヨ)かといえば、そうではありません。  マツキヨは、1994年度から2015年度まで20年以上にわたって業界の売り上げ首位を走り続けてきましたが、その座を近年ある企業に譲っていました。それが、2017年から首位を奪ったツルハHDです。さらに2位にはウェルシアHDが続いています。  そう、マツキヨは現在、業界5位にまで転落。しかし、2020年に同社は再び首位に返り咲く可能性が高いです。いったい、この4年間になにがあったのでしょうか。  そこにあったのは、恋愛で例えるならばバチェラー友永真也さんもびっくりの、強烈なモテ男、ココカラファインの奪い合いでした。ほんまにすごい、近年のドラッグストア業界再編の動きを5分ほどで解説しましょう。

マツキヨ、業界5位に低迷。しかし…

 業界の王者から5位に沈んだマツモトキヨシ。この間、同社は何をしていたのでしょうか。答えを急げば、新規出店を抑制し、利益重視に徹していました。  2015年と2019年の営業利益率を、ドラッグストア業界上位の会社間で比較してみます。営業利益率は、下記の式で導き出せます。 【営業利益率】 営業利益÷売上高×100=売上高営業利益率(%)  なんとマツモトキヨシ、2019年の営業利益率については、大手ではトップの6.3%と好調。同社は虎視眈々と自社の体力をつけて、差別化を重視する戦略を取っていたのです。では、マツキヨの「差別化」ってなんでしょうか?

プライベートブランド開発に注力

 マツモトキヨシが2015年から力を入れた分野は、プライベートブランドでした。  包装デザインや機能を重視した医薬品や日用品の「matsukiyo」、化粧品「アルジェラン」など、ラインナップを拡充さえていきました。今や、同社のプライベートブランドの売上高構成比率は11%にまで成長しています。対する、ウエルシアHDのプライベートブランドは5.6%、ツルハHDは6.4%です。  マツキヨのプライベートブランド「matsukiyo」は徹底的にデータやSNS情報を活用した商品開発を行っています。プライベートブランドは、広告宣伝費を抑えられるという理由で、利益率が高いことで知られています。とはいえ、当然モノがよくなければ売れません。驚いたのは、その品質です。  matsukiyoが開発した保湿クリーム「ヒルメナイド油性クリーム」は、皮膚科で処方してもらえる「ヒルロイド」と同成分が含まれているのです。ヒルロイドは、美容目的で一度に50本以上処方されるケースもあり、現在、厚労省が保険適用外の検討をしているほど人気の代物。このヒルロイドと同じ成分のものを、マツモトキヨシはプライベートブランドとして開発しているのです。  こうした爆発的ヒット商品を次々生み出せるマツキヨ。その背景にあるのは、アジアからの訪日客も含めた延べ6千万人超の顧客データを徹底的に分析しているからです。同社のプライベートブランドは、膨大な顧客データとマーケティングの結晶なのです(化粧だけに)。
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ココカラファインは、なぜモテる?
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