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経営者はなぜ偉人のエピソードが好きなのか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第168回 西郷隆盛 稲盛和夫という経営者がいます。京セラと第二電電を創業し、経営破綻した日本航空を再建した人物です。その手腕から「経営の神様」と呼ばれ、「盛和塾」という中小企業向けの経営塾も開いています。 『心』『生き方』(共にサンマーク出版)といった著書のタイトルからわかるように、彼は人間性や人生哲学を重視しています。では、彼自身は人間性や人生哲学といった「心の磨き方」を、どこで学んだのでしょうか。その答えの一つが「偉人」です。  彼は『稲盛和夫の哲学』(PHP研究所)で、尊敬する人物として西郷隆盛を挙げています。西郷隆盛は大久保利通や木戸孝允と並んで、「維新三傑」の一人に数えられる偉人です。月照という僧侶と入水自殺を図り、自分だけが助かってしまったこと。島津久光の逆鱗に触れ、奄美大島や沖永良部島に島流しにされたこと。こうした西郷隆盛のエピソードを取り上げ、「苦難を経験するからこそ大きく成長できる」としています。  稲盛和夫に限らず、経営者はこうした偉人のエピソードをよく知っています。経営者は労働者よりも、多くのお金と人間を動かします。会社が大きくなればなるほど、「国家」や「世界」や「時代」が複雑に絡んだ、難しい判断を求められるようになります。そんな時にヒントになるのが、歴史に名を残すような偉人です。  行動の背景には、常に人物の影響があります。日常的な行動は、家族や友人といった身近な人物から影響を受けています。しかし、経営判断というスケールの大きな行動の場合は、身近な人物よりもスケールの大きい偉人の影響が必要です。 「ウチの社長は西郷隆盛とか坂本龍馬とか、明治維新の話が好きだなぁ」と感じたら、それは単に好みの話ではないかもしれません。「西郷隆盛はこんな風に生きたんだ」と知ることで、「自分もこんな風に生きよう」という信念を養っているのです。
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