「物」にフォーカスするか、「人」にフォーカスするかで、人生はまったく違うものになります。「太陽の克服」や「永遠の命」を求める無惨と、敵味方を問わず心を通わせる炭治郎は、このことをとてもわかりやすく象徴しています。 　自分の都合を優先する鬼舞辻無惨を笑うことは本当はできません。「どうしてそんなことをするのか」と他人に対して憤る時、その半分以上は自分の理屈に照らし合わせて、相手がその通りに動かないことを不愉快に感じているだけだからです。漫画のように他人事であれば、そのおかしさがすぐにわかりますが、自分が当事者になった途端にわからなくなります。 　何かを不愉快に感じた時、誰かにわずらわしさを感じた時は一呼吸置いて、「こうあるべき」と考える根拠を疑ってみてください。その根拠が自分の都合にすぎないと気づけば、その都合を相手に押しつけるのをやめて、無自覚な悪を行わずに済むようになります。 コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』（扶桑社）が発売中