福島県民 「放射線ヤバい」説を主張する人たちへの違和感

◆当の福島県民は[放射能論議]をどう見ているか?

 実際の放射性物質の拡散とも無縁な地域の住民が、恐ろしい「放射線ヤバい」説を主張する事態を、当の福島県民はどう見ているのか。

 いわき市在住のある男性は言う。

「ツイッターやミクシィで、全然知らない人から“なんであなたは逃げないのか? バカなのか?”といったメッセージが送られてくる。正直、僕らは、よその人よりもずっと、多くの情報を調べています。当たり前ですよ、当事者なんだから。その上で、自分の生活へのリスクと放射線被曝のリスクを秤にかけて考えているんです。簡単に“移住しろ”と言う人は、職も人間関係も捨てて、見知らぬ土地で人生をやり直すことの大変さを考えているのかと言いたい」

 また、盛り上がりを見せる反原発運動に、違和感を覚えるときもあるという。

「先日、反原発をアピールしている芸能人が、ツイッターで“政府を福島に移転しろ”という声に“同意”と書いていました。彼らはすでに“福島=穢れた土地”として扱っている。僕も脱原発派だけど、こんなことを言う連中には怒りすら覚える。僕らの土地を勝手に穢さないでくれと言いたい」

取材・文/鼠入昌史(OfficeTi)
― 放射能より[放射能議論]のほうが恐ろしい【5】 ―




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