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「パチンコをやる自由」も保障される…感染症拡大を止められない「人権擁護」という壁

その85 自衛隊には指示に従わない人を強行に止める権限はない

日本における「緊急事態宣言」の限界

自衛隊

自衛隊公式Twitterから

 4月7日、政府は改正インフルエンザ特措法(以降 特措法)に規定されている緊急事態宣言を発出しました。さらに、対策本部は16日に対象地域を全国に拡大。新たに13都道府県を特定警戒地域とすることを正式に決めました。  さて、これで新型コロナウイルスを封じ込めることができるでしょうか?  諸外国では、許可されない外出には罰金を科すというような徹底した管理体制が取られています。しかし、日本では、市民に政府が人との接触機会を減らすように不要不急の外出を控えてくださいと「要請(お願い)」しただけです。この要請を無視して外出しても、処罰されることはありません。  どうしてでしょうか?  日本国憲法が国民の基本的人権の侵害を徹底的に禁じているからです。  緊急事態宣言が出れば「自衛隊や警察がバリケードで鉄道や道路や空港を封鎖するのか?」と想像していた人もいるのではないでしょうか? しかし、現状ではそれは無理なのです。  4月3日、河野太郎防衛大臣は閣議後の記者会見で、フランス、イタリア、中国の都市封鎖の例を挙げて「都市封鎖の事例研究をしているのか」という記者の質問に、「日本の場合、要請はできますが、それでも多摩川をわたってくる方を止めるわけにはいきませんので、特に自衛隊が都市封鎖にかかわることはないと思います」と答えています。  特措法では物品保管等には罰則がありますが、罰則はそれっくらいです。罰則がない限り、それを守らない人をとがめることもできません。  日本人は社会の規範を守る国民性を持っていますが、その素養を信頼するだけではこの難局は乗り越えられない気がします。一連の新型コロナウイルス感染防止対策を通して、この問題は議論となるでしょう。

すでに医療崩壊を起こしている国との差

 ひとたび医療崩壊が起きれば、新型コロナウイルスの致命率は増大します。致命率とは「感染した人のうち、その病気が原因で死亡した人の割合」です。「ある集団で一定期間中に死亡した人の割合」の死亡率と混同されそうですが、別の言葉です。  日本の全年齢の致命率は2.3%ほどです。これはどんな割合なのでしょうか? 想像してみてください。小中学校がだいたい40人クラスです。2クラス分の感染者が出たと仮定するとその中で死亡者が1人出てしまう割合です。(厚労省より)  日本では今のところ辛うじて「医療崩壊」を起こしていませんので、肺炎を患っても手厚い治療を受けることができます。しかし、医療崩壊を起こしたイタリアでは致命率は9%を越えました。これは1クラス分の感染者がいると3人の死者がでる数字です。恐ろしくなりませんか? 医療崩壊を起こすと致命率が上がります。感染者数を増やさないようにくれぐれも注意していただきたいものです。
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日本国憲法と「ロックダウン」
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