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“1か月半の昏睡”と8か月の入院で「三途の川を見た」。コロナ重症化でエクモに繋がれ生死の境をさまよった43歳男性が告白

 2021年、新型コロナウイルスのデルタ株が世界中で猛威をふるった。日本国内でも多くの人が感染し、みながパニック状態になった。そんななか、「感染対策はしていたが、どこかで罹患してしまった」と言うのが東京都に住む、ひとみさん(男性・43歳)
ひとみ

コロナ後遺症のリハビリを行う、ひとみさん

熱が出て呼吸が苦しくなった

 一時は、対外式模型人工肺(ECMO)に繋がれ、生死の境目を彷徨った。ひとみさんは「もともと糖尿病と喘息の持病があって、コロナに罹患したら重症化の可能性が高いと言われていたのですが……」と語る。 「8月に熱が出て、呼吸が苦しくなったんです。これはヤバいと思い、地元の杉並保健所に電話をしました。医療崩壊真っ只中だったのですが、基礎疾患持ちということで、奇跡的に入院することができました」  入院中はなんとかコロナと闘っていたが、熱は下がることなく意識を失ってしまった。そこからもっと大きい病院へ転院となり、そこで人工呼吸器とうつ伏せで呼吸をしやすくする「腹臥位療法」という治療法を開始した。

「今思うと、あれが三途の川だった」

ひとみ

ECMOに繋がれて入院中のひとみさん

 しかし、肺に穴が空いてしまい、さらに大きい病院へ転院。ECMOに繋がれることになった。 「1か月半も意識不明でした。でも不思議なことに僕の中では意識はあり、普通に生活してるんですよね。夢みたいな仮想現実みたいな。例えが難しいですが、日常生活は送れてる感じです。覚えてるのは、目黒川が流れていて、対岸に死んだ母方のおじいちゃんがいるんですよ。会って話したいなと思うけど、橋がかかってなくて渡れない。なので、歩いて渡ろうとするのですが、何回も流されて失敗するんですよね。3回目の失敗で急に目が覚めました。今思うと、あれが三途の川だったのではないかと」  目が覚めて体を見ると管がたくさん出ていて、手はベッドに固定されていて、声も出せず。体重は20キロほど減っていたという。
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目が覚めても新たな苦悩が
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’92年神奈川県鎌倉市出身。ライター業、イベント企画、映像編集で生計を立てています。レビュー、取材、インタビュー記事などを執筆。Twitter:@yamazaki_naoya

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