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コロナで気付いた家族の大切さ。冷たい性格だった夫が…

今いちばん大事なことは何か、改めて気づかされた

家族 夫妻でテレビマンという、神奈川県在住の佐々木努さん(仮名・40代)の話。 「妻と私は、都内の某キー局勤務です。私は報道部署、妻は制作部署で互いに“超”がつく忙しさ。朝、子供を保育園に預けてから、迎えはどちらか行ける方に、場合によっては時間外保育に預け、迎えが21時近くになることも。子供には申し訳なかったですが、仕方ないと割り切っていた」(佐々木さん)  コロナ騒動の渦中にあり、どうしても休めない業種と言えば、医療関係の他に「保育園」も含まれていた。どうしても仕事に行かなければならない親にとって、小さな子供を自宅に残すわけには行かず、保育園の存在は何よりも重要だった。  ところが、三密状態を避けられず、ウイルス感染のリスクが高い保育園に子供を預けることが本当に正しいのか。自分の子供だけでなく、他の園児や保育士も危険に晒されている。そう思うと、自分の仕事など優先順位は低いと考えるようになった。 「私たちは何のために仕事をしているのか、妻とも改めて話をしました。仕事をするために一緒になった家族ではありません。家族が第一で、そのために仕事をしていると気がつきました。  テレビ局、特に報道の現場は非常事態に機能していないとダメですから、今もそれなりに出勤はしており、妻も放送をやめてしまう、ということはできないので、やはり頻度を減らして出勤をしている。それでも、子供を一番に考えようと、会社にも直談判し、リモートワークなどに移行してもらえることになりました」(佐々木さん)  ほんの2~3か月前、いわば平和な時代の“当たり前”の感覚が、ここにきて大きく変わってきている。新型コロナウイルスの脅威に晒されるなか、本当に大切なものは何か、多くの人々が今考え始めているのだろう。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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