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積水ハウス55億円地面師事件は異例の判決延期…何が起きた?

フィリピンに逃亡した地面師・カミンスカス操被告

逮捕されるカミンスカ操被告

逮捕されるカミンスカ操被告(産経ビジュアル)

 積水ハウスが約55億円だまし取られた地面師事件で、逮捕・起訴され公判中の小山ことカミンスカス操(みさお)被告60歳。カミンスカスは懲役14年を求刑され、今月20日に判決を迎える予定だった。  この事件で主犯格とされる他の被告は、すでに懲役10年以上の実刑判決を受けていることもあって、カミンスカスも同等の実刑判決が予想されていた。ところが、カミンスカスは拘置所の中から抜け出すために、最後の賭けに出たのだ。  その話をする前に当事件を振り返ると、そもそも事件の検挙は2018年10月のこと。この裁判がまだ終結していないことに驚く人もいるかもしれないが、その原因を作ったのは紛れもなくカミンスカス被告だった。多くの仲間が10月に一斉逮捕される中、カミンスカスは逮捕数日前にフィリピンに逃亡。羽田空港で逃亡の情報を覚知したテレビ局のカメラに囲まれながら、堂々と国外逃亡を成し遂げた様子は、まるでドラマの1シーンのような光景だった。  その後、翌年1月にカミンスカスはフィリピンで拘束されたものの、日本への移送や、繰り返される再逮捕によってどんどん裁判の期日は遅れていった。今年になってようやく裁判が始まったが、ここにきて再び暗礁に乗り上げることになった。それは異例とも言える、カミンスカスの行動だった。

拘置所の中から裁判長に手紙を書いた

 なんと、拘置所の中から、裁判長に向けて1通の手紙を書いたのだ。手紙にはこう書かれていたという。 「裁判長、私は無実です。私は最後に逮捕され、捕まった時にはすでに他の被疑者が私を主犯格、犯人であるような設定になっていました。私はなりすましの羽毛田さんと一緒にいましたが、羽毛田さんが裁判で証言していることは全くの嘘で、私の知らない話ばかりです。もう一度話をする機会を頂けないでしょうか」  普通であれば、このような手紙が送られてきたとしても、裁判の期日に影響が出ることはない。ところが、裁判長は判決を先送りにして、カミンスカス本人を法廷に呼び、非公開の場で話を聞くことを決めたのだ。  裁判に詳しいジャーナリストは、「被告が裁判長に手紙を出して判決日が先送りになることはこれまで聞いたことがなく、聞くに値する新しい証拠が出たのではないか?」  と指摘する。 逮捕直前に国外逃亡を成功させたカミンスカス被告だが、判決を前に拘置所からの逃亡はあまりにもハードルが高い。今もその在りかが分かっていない、積水マネー数十億円の行方を知る可能性がある男なだけに、 彼の判決には注目が集まっている。
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カミンスカスの出所を待つ人の存在
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