仕事

「コロナかも」と上司に相談…まさかの対応に言葉を失った

「黙っていれば会社の籍は保証する」

歌舞伎町

ホストクラブでクラスターが発生した歌舞伎町

 同じく都内の番組制作会社の社員で、都内の大手テレビ局でディレクターとして活躍する勝間信明さん(仮名・30代)も、同様の経験をした一人。  約1か月前、新宿・歌舞伎町のホストクラブを取材し、新型コロナウイルスにかかった従業員の知人に取材をしていたのだというが……。 「彼らが罹患していることを隠して働いている、隠さざるを得ないというような報じ方をしたんです。それでホストや水商売の人たちが叩かれたりしましたけど、結局うちの会社も同じでした」(勝間さん、以下同)  勝間さんは電話取材の直後、発熱や咳はないものの、強い倦怠感を覚えたという。そのことを、正直にテレビ局の社員ディレクターに報告したのだが……。 「そもそもホストの取材は知らなかった、制作会社が勝手にやったことだと言い始めたんです。私は、社員ディレクターから言われて取材に行ったにも関わらずですよ?  さらに、制作会社の上司にまで根回ししていて、気持ちはわかるが逆らえない、と念を押されました。本当にかかっていたら労災だろうし、何の補償もなければどうやって家族を養っていけばいいのか不安で不安で……」  制作会社の上司からは、やんわり「黙っていてくれれば会社の籍は保証する」的なことを言われたそうだ。他に感染者が出てもおかしくないなかで、報道に携わる人間としてもあり得ないと思った。だが……。 「その後、2週間リモートワークということになり、体調は1週間もすれば戻りました。医師の診断も経て、現在は職場に戻っているものの、こんな感覚で仕事をしている人たちと一緒に働きたくないな、と不信感が消えません。今後もやっていく自信がないです」  新型コロナウイルスよりも怖いのは、人間の本性かもしれない。治療やワクチンで解消されるようなものではなく、ウイルスよりもしぶとく、延々と我々を悩ませるのだ。<取材・文/森原ドンタコス>
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