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小林よしのり氏「わしを『モーニングショー』に呼んで」TVが言わないコロナ論

 12月17日、東京都は医療提供体制を4段階の警戒レベルのうちでもっとも深刻な「逼迫」に引き上げた。前日の16日には新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が過去最多の822人を記録。23日も748人と高い水準で推移している。日本国内の死者は累計3050名(12月24日、厚生労働省)となるなど、全国レベルで見ても「コロナ第3波」の猛威はさらに勢いを増していると言っていいだろう。

「経済を最優先すべき」と持論を唱える小林よしのり氏

小林よしのり氏

小林よしのり氏

 メディアでも連日、「医療崩壊」の危機が報じられ、15日には菅義偉首相が「Go Toトラベルキャンペーン」を全国一斉に一時停止することを決めたが、この政府による突然の方針転換について「批判の声に屈せずGo Toを続けるべきだった。専門家とメディアが言うような『医療崩壊』は起きない」と持論を唱えているのが、漫画家の小林よしのり氏だ。 「コロナ感染抑止」と「経済を回す」、両方やらねばならないのは誰しもわかっているが、比重のかけ方は専門家の間でも分かれる。その中で、もっとも「経済」側に軸足を置いているのが小林よしのり氏なのだ。  直近4か月の間に、『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』『コロナ論2』(扶桑社、現在累計10万部)や『新型コロナ――専門家を問い質す』(光文社)を立て続けに出版。このほか、自身が主催し全国に門下生を持つ「ゴー宣道場」やブログ、YouTubeチャンネルなどで日々コロナを巡る情報発信を行っている。「経済を最優先すべき」と主張する理由は何なのか、小林氏に話を聞いた。

「日本の医療は崩壊しない」と主張する根拠とは?

――医療崩壊の危機が、連日報じられている。 小林:ここにきてGo Toトラベルの一時停止など、医療崩壊を防ぐという名目で経済活動が次々に止められている。だが、重症者の数が全国で600人程度に増えようとも、日本の医療が崩壊するわけがない。  現在、医療が逼迫している最大の要因は、コロナを今もなお指定感染症の「二類」(一部は一類)扱いにしているからに尽きる。季節性インフルエンザより遥かに弱毒性で感染力も低いのに、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)などの「二類感染症」相当に指定したことで、軽症者や無症状者にまで入院勧告や強制入院など過剰な措置がとられているのを見れば明らかでしょう。  確かに、(12月16日時点で)新型コロナの対応ベッド数は全国で2万7235床しかなく、入院者数の割合は37%まで上昇(※)しているが、「二類相当」から新型コロナを除外すれば、もともと世界一の病床数を擁する日本は160万床でコロナに対応できるようになる。インフルと同等の「五類」扱いにすれば、病床の逼迫など瞬く間に解消しますよ。 ※NHK特設サイト新型コロナウイルス「入院者数 重症者数 対応ベッド数全都道府県データ」(厚生労働省の統計をもとにNHKが集計)

医師の約67%が「二類相当の扱いは、見直すべき」

<自治体のなかには、指定感染症「二類相当」の弊害を改める動きも出てきている。12月7日、神奈川県は医療崩壊を防ぐために、新型コロナウイルスの入院者数を抑えて、年齢や病状などを点数化して医師が入院の是非を判断する新基準を導入。従来は、65歳以上の高齢者や特定の疾患を抱える人などは、たとえ無症状でも原則全員が入院となっていたが、これも新型コロナが「二類相当」とされていたからだ。県は「この基準により、新たに入院する人を半分程度に抑えられるのではないか」と説明している。> ――だが、日本医師会の中川俊男会長や東京都医師会の尾﨑治夫会長は「医療崩壊」の危険が高まっていることから、Go Toトラベルの即時中止を訴えていた。今回の新規陽性者の増加を受け、中川氏は「新型コロナウイルスに年末年始はない。クリスマスも『サイレント・ナイト』でお願いしたい」とも念押ししている。 小林:わしの読者には医療関係者もいるが、コロナ患者を受け入れていないかかりつけのクリニックなどで働く者はみな、コロナ前に比べて80~65%まで現場の稼働率が下がり、むしろ「仕事が暇になっている」と嘆いている。これは、コロナが二類感染症相当とされたことの弊害で「発熱患者の受け入れ拒否」が常態化しているからでしょう。彼らは「コロナはインフルより弱いのだから、私たちが受け入れたい」とまで言って、協力を申し出ていますよ。 <日本最大級の医療従事者専用サイト「m3.com」が医師ら884人を対象にした調査(8月28日~9月2日調査)によれば、医師の66.7%は、新型コロナへの感染防護はあまりに過剰で「見直すべき」と回答(「見直す必要はない」は15.8%)。自由回答のなかには、「現在実施している対策は、二類というよりエボラ相当です(リネンの扱い、ご遺体の扱い、使用する防護用具など)。高齢者や基礎疾患のある方が重症化するリスクは、インフルエンザでも同じです。個人的には、いずれ五類季節性インフルエンザ相当が適当と考えています」(看護師)といった声まであった。>
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医師会からは「二類相当」を見直す動きは出てこない
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