更新日:2020年09月11日 12:42
エンタメ

YouTuberアイドル・神宿はいかにコロナと共生したか_コロナ禍のアーティストたち

一ノ瀬みか「ファンのみんなの幸せを望んでいるんです」

――SNSの発言なんかを拝見するに、自粛期間中はけっこうトレーニングをなさっていた印象があります。 そうですね。神宿が結成されてからこの5、6年、本当にずっと活動を続けていて……そもそもデビューライブのとき3曲披露したんですけど、その3曲は本番の2週間くらい前に渡されて、そこから慌てて覚えたものだったりもするし、それ以来ずっと駆け足でレッスン10%、本番90%みたいな割合の活動を続けてきたので、この春みたいな長いお休みをいただけることがなかたったんです。で、時間が取れるようになって「なにをしようかな?」と考えたとき、基礎的な身体作りがあんまりできていなかったことに気付いて、筋トレにはけっこう時間をかけてみました。筋トレはもともとすごく好きだし、やっぱり健康第一だろうな、と思って。 ――一ノ瀬さんはメンバーの塩見きらさんと一緒にアニメ専門サイトでコラムの連載を持っているじゃないですか。いわゆるおうち時間のうちにアニメを観倒したりはしなかった? これまでも気にはなっていたし、面白そうなんだけど、観ちゃうと心にストレスが溜まって次の日の仕事に響きそうだからって敬遠していた作品をいくつか観ました。
一ノ瀬みか

一ノ瀬みか

――ストレスが溜まるアニメ? たくさん人が亡くなっていくアニメとかですね。刺激的な毎日を送らせてもらっているので、映像の世界でまでハードな刺激はいいかな、って。 ――具体的にこのたびあらためて観てみた作品って? 『STEINS;GATE』です。 ――けっこうあっさり人が死ぬし、量子力学を下敷きにした時間が行ったり来たりする物語だから、確かに観る側にもちょっと覚悟やガッツを要求する作品ですね(笑)。 なので「いつか時間があるときに観よう」ってずっと思っていて、これを期に観てみたんですけど、面白かったです。 ――もし神宿としてガンガン活動している時期に観ていたら、次の日に引きずりそうだった? そのくらい刺激的でした(笑)。 ――そういう個人的な活動の一方で、神宿としてもライブこそできなかったものの、YouTubeなんかを通じてけっこうアクティブに活動していましたよね。 みんなの前で歌えない状況だったので、ゲームをやったり、トークをしたりというバラエティ系の動画だけじゃなくて、カバー曲をコンスタントにアップしたりするようにはしていました。 ――どちらかというと「みんな」、つまりファンに向けて動画を配信しているという意識が強かった? 素人目には誰の目にも触れやすいネットってこれまで神宿を知らなかった人にもアピールできるツールなのかな? という気もするんですけど……。 うーん……。神宿を知らない人たちに動画を観てもらうことはやっぱり簡単じゃないな、と思っていて。だから個人的にはまずファンのみんなが喜んでくれることが第一。それが実現できればうれしいし、プラスアルファで私のことを知らない方々にも届くといいな、という感じでいました。 ――そのファンと直接対面できないことに対する不安や焦りはありました? 神宿の活動は年単位でスケジューリングされていて。まだ言えないんですけど、今年の年末までに達成しておきたい目標っていうのが実はあって、それに向かって活動しているんですけど、毎年その途中には絶対になんらかのトラブルは起きるものなので。確かにファンのみんなに会えないのは寂しいんですけど、新型コロナというトラブルがあったことで不安になったり、焦ったりはしなかったですね。それに私はファンのみんなの幸せを望んでいるので。たとえば自粛期間中に神宿を観たり聴いたりすることよりも読書が楽しくなった方がいたとしても、それがその人にとって幸せならいいのかな、と思っているんです。 ――一時的であれ「神宿をいいな」と思ってくれた感性の持ち主のことは全肯定したい? そうですね。もちろん長く好きでいてくれるようにいい曲を歌って、いいパフォーマンスをして、癒やしを届けていく努力は欠かしたくないんだけど、まずは「どんな状況でも神宿を観たいな」「それでも神宿のことが好きだよ」って言ってくれる人のために活動をしたいと思っています。だから「ファンが離れちゃうかも」みたいな不安はなかったです。さっきの話とちょっと矛盾しちゃうんですけど、自粛期間であっても私たちがなにかネットでアクションを起こすと絶えず拡散してくれるファンのみんなもいてくれましたし。そういった、私たちとファンのみんなとの積み重ねで、さらにファンの輪が広がっているのも感じています。 ――新型コロナ禍における神宿のネット活用という話を続けるなら、4~7月には4カ月連続で新曲を配信リリースしています。 でももともと配信リリースはひんぱんにやっていたので、コロナだから、ネットでリリースだ! みたいな感じではないですね。

「表現することが一番楽しいんです」

――先ほど羽島さんに聞いたところによると、今回の新曲4曲も新型コロナ禍に見舞われたから慌てて作った曲じゃない。本来ならもっと前にリリースする予定だったのが、新型コロナの影響でリリースが延期されたわけですもんね。 そうなんです。 ――結果、本格的なドラムンベースの「在ルモノシラズ」と壮大なバラード「Erasor」、ラップナンバー「SISTERS」、スタイリッシュなEDMの「Brush!!」が“並んでしまった”と。 「在ルモノシラズ」はこれまでとは違ったスタイリッシュな作品だと思いますし、個人的にはユニット曲の「Erasor」を歌えたのがうれしかったです。 ――これまでもバラードがまったくないグループではないけど、ここまで生感のあるオーガニックな楽器編成でたっぷり歌うバラード曲は珍しいですよね。 そうですね。もともと歌うことが好きだからこの活動をしている面もあるので「「ユニット曲を出す」と聞いて、デモをもらったときは本当に感激しました。だからレコーディングもすごく楽しかったし、ぜひみんなにも聴いてもらいたいです。 ――そして9月には、7月配信の最新曲「Brush!!」を収録したニューアルバムがリリースされて、それに伴うホールツアーも。 最近アーティスト写真が新しくなって、ビジュアル面でも新しい私たちを見せることができたと思っているから、その見た目の期待値を超えるようなパフォーマンスをグループとしてもしたいし、私個人としても、さらにワクワクするような活動をしていきたいと考えてます。 ――対するプライベートではこの秋以降、2020年後半戦はなにをしましょう? なにしようかな? ……今も新型コロナ禍が続いているし、いつ終わるかもわからない世の中なので難しいなあ。でも私は気持ちや思いを言葉で表現することがすごく苦手なので……。 ――へっ!? 今日もどんな質問にもクリアに答えてくれてるじゃないですか。 ありがとうございます(笑)。でもやっぱりみんな得意、不得意があると思うし、逆に言うと、私はダンスや歌の方が好きだし得意なので、それを活かして、神宿にとってもそうだし、ファンのみんなにも明るい未来を想像してもらえるような表現ができるようになりたいですね。 ――自粛期間中にやっていたことといい、本当に神宿ファーストな生活を送っているんですね。「遊びたい」「休みたい」よりも「表現したい」? それが一番楽しいんです(笑)。
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「ストーリーは大事だから、節目をみんなとお祝いしたい」
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「神宿HALL TOUR 2020」
2020年9月13日(日)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
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