更新日:2020年09月11日 12:42
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YouTuberアイドル・神宿はいかにコロナと共生したか_コロナ禍のアーティストたち

小山ひな「新型コロナのせいでInstagramがノー背景に」

――小山さんには新型コロナ云々以前から神宿メンバーいちSNSを活用しているイメージがあります。 そのつもりだったんですけど、新型コロナになってからSNSがやりにくくなっちゃって……。 ――おうち時間が増えれば、それだけネットを使う時間もたくさん割けそうな気もしますけど。 いや、私はできれば毎日Instagramに写真を上げたいから、これまでは週に1回、実家の長野から東京に来てくれていたママと一緒にいろんなところに出かけて写真を撮ってもらっていたんですけど、それができなくなっちゃったので。だから春以降、Instagramの自撮りは基本的に“ノー背景”ばっかりです(笑)。 ――お母さまは上京してこないし、おいそれと遊びにも出かけられないから、ご自宅にいらっしゃった、と。 なので、普段はずっと家にいる陰キャなことがバレちゃいました(笑)。陰キャだからこそ、せめてInstagramではリア充な感じを出したかったのに……。それが私の一番のコロナ被害でした(笑)。 ――ご自宅ではなにをなさっていたんですか? ちょうどNintendo Switchの『あつまれ どうぶつの森』が流行っていたので、飽きるまではそれをすごくやっていました。 ――あっ、島の開拓にはもう飽きちゃった? いや、ほかの人に比べたらすごく中途半端なところまでしか開拓できてないんですけど、もともと飽きっぽくて(笑)。だから自粛期間の途中からは『PUBG』っていうゲームに浮気して、今度はそれをずっとやっていました。 ――アイドル活動につながることってやっていました? たとえば筋トレをしたり、ボイストレーニングをしてみたり。 これがまったく……。歌うことは好きなので、もともとひとりカラオケにも週2~3のペースで行っていたんですけど、それもできなくなっちゃって。なので自粛期間は1日中ひと言も声を発さない日がたくさんありました(笑)。
小山ひな

小山ひな

――でも自粛期間中も神宿ってYouTube動画を公開したり、配信ライブを打ったり、けっこう積極的に活動していましたよね? だからネットがあってよかったなあ、と思っています(笑)。確かにライブができないから私たち自身、ネットでの活動に時間を割けるようになったし、ファンのみなさんもおうちで退屈にしているのかもなあ、とも思ったので、ちょっとがんばってみました。 ――そのがんばった結果、つまりファンのリアクションって耳に届いています? なにか言われてるのかなあ……。やったらそれで満足しちゃうタイプというか、あんまりエゴサをしないので、みなさんが楽しんでくれたり、喜んでくれたりしたらうれしいですね。 ――へえ。小山さん自身は「よし、今こそネットを積極活用だ!」というモードではなかった? さっきお話したとおり、ネットでがんばってみるべきなんだろうなとは思っていたんですけど、基本的に時の流れに身を任せるタイプなので(笑)。確かにそこまで前のめりにはなってなかった気がします。 ――ほかのメンバーから「こういう動画を撮ってみようと」という提案があったら、それに全力で乗っかる感じ? そうですね。みんなが持ってくる動画の企画はどれも楽しいのはわかっていたし、フットワークだけは軽い自信があるので(笑)。 ――なんでそんなに自虐的なのかなあ。これは新型コロナ以前からみなさんがやっていたことだけど、配信ライブを打つにしてもそれだけでは済ませない。その後の打ち上げの様子をライブ配信してみたり、常に神宿ならではのスペシャルなコンテンツを作り上げているのに。 スペシャルなのかなあ。これが日常だからあんまり変わったことや特別なことをやっている感じがしないんですよ。あと、ほかのアイドルさんやアーティストさんの動画やSNSをあんまり観ないので……。 ――あっ、そうなんですか。じゃあ自粛期間中ってゲーム画面以外、なにをご覧になってました? いや、いろいろ観てはいたつもりなんですけど、私、劣等感が強いので……。ほかのアイドルさんやアーティストさんががんばっている姿を観ると生きているのが辛くなっちゃうんです(笑)。なので基本的に自分と神宿にしか向き合わないようにして暮らしているんですけど、確かに新型コロナ以前から動画制作とかライブ配信を積み重ねてきていることは神宿ならではの強みなのかなあ、とは思っています。 ――むしろライブアイドル界隈のトップランナーで、しかもネット活用が上手い人たちだなあ、と思って見ていたんですけど、なんかノンキな上に、実は劣等感に苛まれていた、と(笑)。 陰キャですから(笑)。

「一番好きなのは『SISTERS』ですっ!」

――じゃあ4~7月に新曲を連続配信リリースしたことについては? もともと神宿って新曲の配信リリースに積極的だったし、これもこれで神宿ならではの強みが発揮された気もするんですけど……。 あっ、それは思いました。本当はこの時期に発表する予定ではなかった曲もいくつかあるんですけど、こういうときに連続で配信リリースできるのもこれまでやってきたことのおかげなのかな、って。あと私は配信された4曲のうち「在ルモノシラズ」と「Erasor」と「Brush!!」という3曲を歌っているんですけど、どれも今までにない曲で、今までにない歌い方ができたので楽しかったです。 ――普段からライブやレコーディングはもちろん、週3でひとりカラオケに行くほど歌うのがお好きなわけですもんね。それだけに渋いダンスチューンや壮大なバラード、おしゃれなEDMを歌うのは楽しかった、と。 はい。 ……あっ、でも私、今回配信された曲の中では羽島姉妹が歌っている「SISTERS」がめっちゃ好きなんですよ(笑)。 ――ラップをしてみたい? ラップにも挑戦してみたいんだけど、それ以上に曲がかわいい上に、私はひとりっ子なので……。 ――シスターフッドを歌い上げるみきさんとめいさんがうらやましい? はい! 「いいなあ、ふたりともお姉ちゃんや妹がいて」って(笑)。 ――いや、そのふたりが実の姉妹なんですけどね(笑)。 そういうふたりでデュエットできるのが本当にうらやましいし、あと、この曲って私が神宿として活動を始めてこの5年で初めて出合った曲なんです。 ――「初めて出合った曲」? 神宿の曲なのに客観視できる曲なんです。 ――あっ、そうか。これまでの神宿楽曲にはすべて小山さんのボーカルが収録されているけど、「SISTERS」は神宿名義ながらも羽島姉妹の声しか収録されていないのか。 自分の声が入っている曲は普段聴くと照れくさくなるし、ダメ出ししたくなるけど、私の声が聴こえないから「SISTERS」はめっちゃいいです(笑)。普通に「かわいい曲だなあ」「ふたりのラップ、かわいいなあ」って聴けるから楽しいんですよね。 ――なるほど(笑)。そしてこれからもみなさんは慌ただしい日々を送ることになりそうですよね。9月にはニューアルバムのリリースやホールツアーが待っています。(※取材時はホールツアー開始前でした) 今、がんばって準備しています。 ――その後、2020年の秋から冬ってなにをしましょう? なにをしましょう? 神宿としてはこれまでどおり、時の流れに身を任せていきたいんですけど(笑)、上半期全然歌えなかったから、ホールツアーがあってもたぶん収まらないくらい歌いたい欲が高まっているので、いっぱい歌う機会がほししいですね。 ――一方、プライベートでやってみたいことは? 『PUBG』に飽きる前に新しく楽しいことを見つけて、この騒動を生き抜いていきたいです(笑)。
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「毎日神宿のことしか考えてないんです」
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「神宿HALL TOUR 2020」
2020年9月13日(日)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
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