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ネトウヨ総理に残された道はただ一つ。潔い退陣だけだった/倉山満

トランプ大統領に中国を潰す意思と能力があるのか

 そもそも、今のドナルド・トランプ大統領に、中国を潰す意思と能力があるのか。  アメリカの絶頂期は、ドワイト・アイゼンハワー大統領の時代だ。その頃は「大戦争二つと小規模紛争一つに同時対応できる国力を持つ」と豪語していたほどだ。ところが、21世紀のアメリカは同盟国の助けを借りて一つの小規模紛争を行うのが精いっぱいだ。  トランプは、ソ連を本当に潰したロナルド・レーガン大統領を模範としている。だが、そのレーガンも一期目の途中でようやくレーガノミクスが成功して経済力を回復し、そこからようやくソ連潰しにとりかかれた。トランプは取り柄の経済がコロナで吹っ飛び、再選も心もとない。  果たして、今のトランプにアイゼンハワーやレーガンのような力があるのか。そのような状況で中国を潰すなどと考えているのか。  今の政権の考えは、公文書を読めばわかる。トランプは中国を潰すどころか、断交すら考えていない。確かに中国を甘やかしてきた歴代政権の姿勢を反省している。では何をするかと言えば、中国に可能な限り言うことを聞かせるだけだ。中国の巨大市場を離す気はない。  国際政治を動かしているのは徹頭徹尾、力の論理だ。最終的には軍事力で解決を付けるのが国際政治だ。同盟国とは、「いざという時に、一緒に命懸けで戦う国」のことだ。  アメリカにとって、日本はこの意味での同盟国なのか。安倍内閣8年間、一ミリでもこの意味での同盟国に近づいたのか。  他人事のように眺めていては、いつまでたっても日本は国ではない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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