「ロール寿司」は海外のつるとんたんから逆輸入したメニュー。さっぱり味なので、ランチタイムにうどんと一緒に注文されることが多い。料理の独創性だけでなく、味の完成度が高いのは、同系列の一泊10万円は下らない高級旅館の調理チームも同店のメニュー開発に携わるからだ。この料理をこの値段で食べられることに驚く。 　料理の価値観を変える店との出合いは、人生を豊かにしてくれるはずだ。 ▼つるとんたんの大判きつねのおうどん 大きな薄揚げは、つゆをよく吸っていてふわっとした食感。店名の由来でもあるつるつるとした喉越しのしなやかうどんによく合う。880円（税込み※大阪の店舗は価格が異なる） ▼つるとんたんの明太子のおうどん 出汁とかえしとマヨネーズでのばした明太子がうどんにからむ、人気メニュー。つるとんたんで生まれたオリジナルメニューであることはあまり知られていない。1380円（税込み） ▼つるとんたんのロール寿司盛り合わせ 柚子胡椒仕立てのサーモンロール、トリュフマヨ仕立ての鮪ロール、牛時雨高菜ロール、とろたくロールの4種の盛り合わせ。一人でもペロリといけるおいしさ。1160円（税込み） 　季節感も存分に取り入れた前菜の盛り合わせこそ、料理人の腕の見せどころだとか。つるとんたんでは店舗ごとに料理長が指揮をとり料理の方向性を決める。それゆえ店舗によって味が違うこともいとわない。 　グループ全体の交流も盛んで、和洋問わず料理人同士が日々刺激を受け、切磋琢磨しているという。この日の前菜は7種。「鯛の香味醤油焼き」や「あわびの酒蒸し」など、旬の食材を使った意欲的な小鉢が美しく並び、酒飲みを誘惑する。 ＜取材・文／キンマサタカ（パンダ舎）　撮影／深堀雄介＞