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『梨泰院クラス』イソの人生を決めた「セロイの夜」の意味

打ち明け話が人生を決めることも

 イソがセロイから受けた影響は「自覚」です。イソはセロイと出会った当初、「お節介」「うざい」と感じていました。それが男につきまとわれていた所を助けられたのをきっかけにして、セロイのことを意識するようになります。しかし、自分の気持ちをはっきり自覚して、「合格した大学を蹴って、飲食店で働く」という行動に踏み出したのは、セロイの打ち明け話を聞いた後です。  私たちには常に頭に浮かんでくる思考が何かしらあります。この思考を自覚できなければ行動できません。反対に、この思考を自覚できれば行動できるようになります。そして、自分の思考を自覚させてくれるのは、他人の言動です。  イソの体験は平たく言えば、「仕事の志望動機の発見」です。働く理由が「お金のため」というのは間違っていませんが、それではどんな仕事を選ぶのかを特定できません。また、「好きなこと」や「やりたいこと」を理由にして働くという話もよくありますが、好きなことのはずなのに、実際に仕事をすすめようとすると、まったくやる気が湧かずに悩むことはよくあります。  こうした悩みを作り出すのは、「お金」や「好きなこと」といった物事がやる気になると考えているからです。お金を欲しがったり、好きなことがあるのは、悪いことではありません。イソもマーケティングの才能がもともとあって、SNSでたくさんのフォロワーを抱えて、高校生ながらにお金を稼いでいました。そして、その特技を活用して、セロイを支えるようになります。  しかし、それは彼女のやる気とは関係がありません。イソのやる気を引き出したのは、セロイの打ち明け話です。このようにやる気は「人物の影響」によってこそ引き出されます。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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