『梨泰院クラス』イソの人生を決めた「セロイの夜」の意味
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第213回
日本でも大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』のヒロイン、イソは主人公のセロイが営む飲食店でマネージャーとして働き、彼のことを献身的に支えます。セロイは自分の信念を貫き、仲間の信頼も厚い人物ですが、世間の流行や関心には疎いタイプです。そうした彼に欠けた部分をフォローするのが、イソの役回りです。
イソはセロイの目標を叶えようとして働きすぎたあまり、過労で倒れてしまうことすらあります。彼女はもともと反社会的な行動や気質を特徴とする「ソシオパス」で、セロイと出会うまでは他人の気持ちに配慮することなく、自分のために生きていました。そんな彼女が、どうしてセロイに対しては献身的になるのか。やる気や決断を引き出すのは常に「人物の影響」です。
「あの時、あの人が、ああ言ったから」あるいは「あの時、あの人が、ああしたから」と心を揺さぶられることがあると、「だから自分はこうしよう」と考えて行動できるようになります。イソが影響を受けたのはセロイです。
物語序盤、イソはセロイが開いた飲食店「タンバム(甘い夜)」の名前の由来を尋ねます。この時、セロイは「俺の人生は少し――苦い。とても苦いんだ。夜はよく眠れない。恋しいし、寂しいし、腹が立って、だからこの仕事が合ってる。特に理由はない。ただ……少しでいいから、苦い夜を、俺の人生を甘くしたかった」と答えます。
この時、イソは酔って気を失ったセロイに寄り添い、「彼の苦い夜が甘くなりますように」と祈り、「彼の人生を甘くしてあげたい」と望みます。そしてその翌日、合格していた大学を蹴って、セロイの営む店で働くことを申し出ます。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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