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『梨泰院クラス』のスングォンはなぜ更生できたのか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第212回 乾杯 日本で大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』に登場するキャラクター、スングォンは主人公のセロイを「兄貴」と慕い、彼の営む飲食店で従業員として働いています。もともとは裏稼業に手を染めて、非合法の組織に所属していましたが、荒れた生活に嫌気がさしていた時にセロイと再会し、更生を決意します。  二人が最初に出会ったのは7年前に服役していた刑務所でした。この時、セロイは出所した後のことを考えて勉強に励んでいました。そんなセロイにスングォンは無性に苛立ち、「自分たちのような前科者の貧乏人が勉強したって無駄だ」と食ってかかります。  この時、セロイは「自分の価値を自分で下げて安売りするバカめ」とスングォンを罵ります。そのせいでスングォンに殴られても、「勉強、肉体労働、船乗り、そこから始めるさ。何だってやる。価値は自分で決める。俺の人生はこれからだ。必ず成功してやる」と激昂します。  やる気を引き出すのは常に人物の影響です。「あの時、あの人が、ああ言ったから」あるいは「あの時、あの人が、ああしたから」ということがあって、人は「だから自分はこうしよう」と考えて行動できるようになります。スングォンの更生に影響を与えたのは、この時のセロイの言動です。  刑務所での激しいやりとりから7年後、スングォンはセロイが飲食店を開いたことを知ります。同じ刑務所にいたにも関わらず、自分はならず者のままで、相手は自分の店を持つに至っている。その隔たりの大きさに打ちのめされたスングォンは「自分もまともに生きたい」と考えるようになります。  この時のスングォンの心情は「お手本」です。前科者という同じ境遇を持ちながらまともに生きているセロイを見て、スングォンは自分もそうなりたいと考えます。このように誰かに自分を重ねることでやる気は引き出されます。
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人が変わるには時間がかかる
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