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『梨泰院クラス』行動するきっかけを与えたスアの重要な一言とは?

心に火がつく瞬間とは

 この時、セロイは長家を一代で築いたデヒの自伝を読んで、出所後は飲食店をやろうと考えていました。この話を面会で聞いたスアは、セロイに「復讐?」とたずねます。セロイは「違うよ」と否定しますが、雑居房に戻る廊下でスアとのやりとりを振り返り、「その単語で空っぽだった心が満たされた」と自分の復讐心に気づきます。  セロイがスアから受けた影響は「自覚」です。セロイは仇敵の自伝を読んで、同じ飲食店をやろうとしていてもなお、自分の気持ちを自覚していませんでした。それがスアによって「復讐」というフレーズで指摘されたことで、「復讐心」という心情が生まれます。彼が目的意識をはっきり持って行動を始めたのはそれからです。 人間には常に頭に浮かんでくる思考が何かしらあります。この思考を自覚できなければ行動できません。反対に、この思考を自覚できれば行動できるようになります。そして、自分の思考を自覚させてくれるのは、他人の言動です。  セロイの場合は影響を受けた結果が復讐でしたが、他人の言動による自覚が必要なのは復讐だけに限りません。仕事にせよプライベートにせよ、ただあれこれ考えているだけでは行動できるようにはなりません。かといって、「あれこれ考えずにとにかく行動しろ」と言われても、やはり行動できるようにはなりません。  行動できるようになるのは、自分の考えを他人の言動によって指摘されて、「やっぱりそうなんだ」と自覚できた時だけです。いわゆる人生相談というのは、「絶対にうまいく方法」を教わるためではなく、自分の考えに気づかせてもらい、行動できるようになる「後押し」のためにあるのです。これがわかると、やる気を引き出すために、誰かと話すことがいかに大切なのかがわかるようになります。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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