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『鬼滅の刃』兄弟は必ずすれ違う。なぜ家族なのに分かり合えないのか?

無一郎と有一郎

 また、霞柱の時透無一郎は剣の才能を見込まれて鬼殺隊からスカウトされ、本人も「剣士になって人の役に立ちたい」と考えていました。しかし、兄の有一郎はそんな彼を危険な目に遭わせたくない一心で、「無一郎の無は無能の無だ」「お前に何ができるって言うんだよ」と罵って引き止めていました。  鬼滅の刃はフィクションですが、兄弟関係や親子関係で「相手のことを思うがゆえのすれ違い」が起こることは現実でも珍しくありません。たとえ同じ家族でも兄と弟では立場が異なり、「何が正解か?」という価値観も変わります。そして、その価値観の違いによって、相手の言動が「なんでそんな」と思わず憤るような内容に聞こえてしまいがちです。

兄弟姉妹のそれぞれの形

 こうしたすれ違いを解消するには、相手の立場を知ることが必要になります。もし玄弥が「兄が匡近の遺書に影響を受けていること」を知ったら、なぜ自分のことを遠ざけようとするのか納得できたはずです。鬼滅の刃は物語なので激しい対立が描かれますが、現実であればもっと穏便なやり方を求めたくなるのが人情です。 「兄弟」という言葉が「同じ親から生まれた人物」という意味であることは誰もが知っています。しかし、そうした誰もが知っている意味は、決断や行動には影響を及ぼしません。大切なのは実体験を根拠にして、「これが兄弟なんだ」と自分なりの答えを持つことです。  竈門炭治郎と禰豆子。冨岡義勇と蔦子。時透無一郎と有一郎。不死川実弥と玄弥。胡蝶しのぶとカナエ。煉獄杏寿郎と千寿郎。妓夫太郎と堕姫。鬼滅の刃では、多くの兄弟姉妹の関係が描かれています。この部分に注目して読むと、「人物の影響」の重要性がしみじみと感じられるでしょう。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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