基準は8位の守澤太志選手を巡る攻防
そこで俄然注目が集まるのは無条件でGP切符が得られる8位の選手だ。今そこにいるのは守澤太志選手。この守澤選手を賞金枠で直撃できる、すなわち競輪祭決勝2着で逆転できるのは3000万以上の獲得賞金の選手たち、つまり16位の東口善朋選手までだ。辛うじて17位の稲川翔選手が50万円ほど足りないが、競輪祭期間中の勝ち上がり賞金次第ではここも圏内かもしれない。ただ、一人に賞金を抜かれても、9位でGPに乗れる可能性はある。それは競輪祭優勝者が賞金9位以内の選手だった場合だ。
現状9位の山田英明選手は「半分結果待ち、半分自力勝負」となる。9位という順位まで賞金枠があるかないかは優勝者次第。もし優勝した選手が最終順位10位以下ならばそちらが優先されてしまうからだ。そのため約135万円差の8位守澤選手を最低でも交わすのが最低限の目標となる。
10位以下の選手は先程挙げた守澤選手を逆転する条件に入った選手は賞金枠での出場狙いが可能だが、それ以下は優勝がマストとなる。23日の決勝戦、どんなメンバーがどんな条件で出場しているのかをチェックして予想に組み込むのも競輪祭の楽しみなのだ。
最後に、私の注目選手は現在賞金10位の新田祐大選手だ。今年は本来オリンピックがあったはずで6月まで出走がゼロだった影響もあり、まだギリギリ圏内にいないのはそれが理由だ。オリンピック代表同士の脇本は出場を決めているが、競輪祭のみとなったチャンスを活かすかどうか。
競輪祭の前半日程(11月18〜20日)で行われるガールズグランプリトライアルも、女子の年末最高峰レース・ガールズグランプリに向けた最終決戦だ。
<女子・獲得賞金ランキング>
1位 高木 真備 東 京 17,736,300円 確定
2位 石井 貴子 千 葉 14,742,300円 確定
3位 児玉 碧衣 福 岡 14,049,000円 確定
4位 梅川 風子 東 京 11,607,000円 確定
5位 石井 寛子 東 京 11,263,000円
6位 鈴木 美教 静 岡 10,479,000円
7位 尾崎 睦 神奈川 10,269,000円
8位 坂口 楓華 京 都 10,214,000円
9位 小林 莉子 東 京 9,834,000円
10位 佐藤 水菜 神奈川 9,607,000円
11位 奥井 迪 東 京 8,716,300円
※3000万以上・11月14日現在・審査用賞金は少しズレがあります
<ガールズグランプリトライアル決勝賞金>
1着 100万円
2着 50万円
出場枠は7人まで。このトライアルは2トーナメントに分かれており優勝者は2人出るが、その2人が優先出場権を得て、残り5人を賞金枠で争う。そのため、100万円の優勝賞金を下位が得ても5位以内をキープできる選手はガールズGP出場確定だ。1位高木真備選手、2位石井貴子選手、3位児玉碧衣選手、4位梅川風子選手がその確定枠に入る。
6位鈴木美教選手は決勝2着でも他力に
優勝者が最終獲得賞金上位5位以上に入ればその分、賞金枠が広がることになるが、もし下位選手が優勝すると枠は広がらない。だが、6位の鈴木美教選手は決勝2着の50万を得ても5位の石井寛子(東京)選手に届かない公算だ。つまり、自力で権利を獲るには6位以下は優勝しかない。優勝できなかったときには「結果待ち」となるわけだ。
なんだ単純じゃないか、と思うかもしれないが、ガールズグランプリトライアルは先にも書いたとおり2トーナメントに分かれている。20日に決勝が2つあり、先に行われた決勝で賞金枠がまず1つ広がるのか、広がらないのかが分かるので、もし広がった場合、つまり優勝者が5位以上の選手だった場合を想定するとこんどは6位の鈴木選手がボーダーとなり、ここを賞金枠で逆転してもOKとなる。決勝2着50万で鈴木選手に届くのは8位の坂口選手まで。9位の小林莉子選手は初日2日の賞金次第ではもしかしたら、といった感じなのだ。
2トーナメントになっていることで、先に行われる20日11Rの決勝の結果を踏まえて、12Rの予想に条件を組み込んで予想してみることをオススメするぞ。
私の注目選手は佐藤水菜選手だ。現在10位で賞金枠では7枠に入ることは不可能でトライアル優勝条件ではあるが、ここ一番での位置取りの巧さを活かしての印象的な1着も多い。上位3人が強くなかなか本命にはしづらいが、あわよくば逆転を狙える位置で勝負しできている可能性から車券対象には入れておきたい。
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「
競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。