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ウイスキーの語源は「命の水」、テキーラの語源は? お酒のトリビア

テキーラを飲む際、塩やライムを舐める理由

 テキーラの語源はハリスコ州テキーラ村から。誕生は18世紀半ばで、スペイン統治時代のメキシコで山火事が起きました。火事跡に行くと美味しそうな香りが漂っているので、燃えた竜舌蘭を押しつぶしたところ甘い汁が出てきました。加熱されることで甘くなったのです。そして、この汁を発酵させ、蒸留してできたお酒がメスカルです。その中でも、テキーラ村などの特定地域で作られたものをテキーラと呼んでいます。テキーラの原料はサボテンではなく、竜舌蘭なのです。  テキーラを飲む際、塩やライムを舐めてからショットグラスを一気することがありますが、美味しいテキーラであればこのような飲み方をする必要はまったくありません。テキーラはウイスキーやブランデーと同様、ゆっくりと楽しむお酒です。塩やライムが流行ったのは、昔出回った質の悪いテキーラの臭みを消すためです。
テキーラ

テキーラ(メスカル)はそのままストレートで楽しめます

ボクシングのグロッキーはラムに関係があった!

 ラムの語源は興奮したり大騒ぎするという「rumbullion」だと言われています。英領西インド諸島でサトウキビから作った蒸留酒を現地の人が飲んで騒いだ様子からつけられたそうです。  当時のイギリス海軍はラムを配給していました。壊血病対策と水代わりです。しかし、飲み過ぎると酔って仕事にならないので、ある提督が水で薄めることにしました。そのラムを提督が身につけていたGrogramのコートにちなんで「Grog」と呼びました。それでも、たくさん飲んでしまえば酔います。Grogを飲んでふらふらになった様子を「Groggy」と呼びます。ボクシングで打たれてふらつくことを「グロッキー」と呼ぶ語源にもなりました。  なお、今回は面白おかしく紹介するため、諸説ある中のひとつを取り上げていることもあります。別の説を知っている人がいても、白黒つかないので議論しないほうがよいでしょう。トリビアをきっかけに飲みの場が楽しく盛り上がればいいのです。  なお、ワインとビールのトリビアはそれぞれたくさんあるので、別の機会に紹介する予定です。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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