更新日:2020年11月13日 16:21
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ウイスキー好きなら知っておきたい「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサイエティ」

 ウイスキーの蒸留所から樽ごと購入し、自社で追加熟成し販売する業者のことをボトラーと呼びます。そして、このボトラーから発売されるものを「ボトラーズ」と呼びます。日本でも様々なボトラーズからウイスキーが販売されていますが、なかでも存在感があるのが「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサイエティ(The Scotch Malt Whisky Society=SMWS)」です。
SMWS

SMWSとは?

 毎月、7~8本の新製品を発売しており、ボトラーズとしては類を見ない多さが特徴。しかもウイスキーの品質は高く、全世界にファンがいます。ボトルは緑色で、ラベルや瓶のデザインを見れば、ひと目で「SMWSもの」とわかります。今回は、このザ・スコッチモルトウイスキー・ソサイエティの歴史から楽しみ方までをカントリーマネージャーの橋本崇宏氏に伺ってきました。
SMWS

SMWSのウイスキーを飲みながらお話を聞かせていただきました

ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサイエティとは?

 1983年、ウイスキーは今ほど人気がなく、蒸留所は不況により次々と閉鎖されていきました。そんななか、スコットランドのエジンバラで、世界初となる会員制のウイスキー・クラブが設立されます。  設立者のピップ・ヒルズは1970年代後半、グレンファークラス蒸留所のウイスキーを樽出しで飲み、衝撃を受けました。当時はブレンデッドウイスキーが主流で、樽出し原酒というカテゴリーがなかったのです。そのため、仲間と共にザ・スコッチモルトウイスキー・ソサイエティを立ち上げました。  設立以来のポリシーは「カスクストレングス(樽出汁原酒)」「ノンチルフィルタリング(冷却濾過せず)」「ノンカラメル(着色しない)」の3つです。  日本には1993年から輸入されています。当時の正規代理店は天満商店で、2001年にウイスク・イーが総代理店契約をして日本支部を統括することになりました。筆者も、このころからSMWSものを飲んでいます。  2015年、親会社のLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)はSMWSを投資会社に売却しました。そこで2017年、日本でも代理店ではなく支社としてビジネスをするために立ち上げたのが、ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ株式会社です。今回、お話を伺った橋本氏は日本支部を管理するカントリーマネージャーという業務を担当しています。橋本氏は、これまでもウイスキーに関わる仕事をしており、30歳のころには1年間スコットランドの蒸留所巡りもしたそう。 「会員は全世界で3万人ほどです。日本の会員も順調に増えており、この3年だけで約2000人が入会しています」(橋本氏)
橋本崇宏氏

カントリーマネージャーの橋本崇宏氏

SMWSのウイスキーを楽しむ方法

 SMWSのウイスキーは会員にならないと購入できませんが、BARで飲むこともできます。原価BARでも出していることがあります。それとは別に、SMWSが提携するパートナーバーもあります。例えば、今回の取材で伺った「Park Hotel The Society」です。  パークホテル東京の25階に入っている「Park Hotel The Society」は2006年、日本初の公認バーとなりました。落ち着いた雰囲気のラグジュアリーなバーです。  このほかにも北海道から九州まで13のパートナーバーがあります。
Park Hotel The Society

Park Hotel The Societyのウェブページ

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番号表記で管理されているSMWSのボトル
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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