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ちょっといいワインを飲みきれなかったときにオススメの保存方法

飲みきれないワインが劣化してしまう……

 ワインを開栓すると酸素に触れ、開いて香りが立ち、美味しくなります。その後、時間と共に劣化して、酸味と苦味が出て飲めなくなります。ワインの種類やクオリティにより、開栓してどのくらい飲めるのかは異なります。開けて数時間でアウトになるものから、開けた翌日くらいが美味しい、というワインも多いのです。通常は、翌日~2日目くらいは美味しく飲め、3日目くらいから劣化を感じるのではないでしょうか。
ワイン

開栓してどの程度もつかは、一律ではないのです

 何人かで飲むのであれば、1~2日で飲みきるのは簡単です。しかし、自宅で1人で飲む場合は、飲みきれないという人もいるのではないでしょうか。1日1杯なら7~8日で終わりますが、毎日飲めるわけではないですし、そもそも1週間は保たないでしょう。  これは、ワインの課題でもあり、当然さまざまな解決方法があります。有名なのは開栓したワインのボトルにゴム栓を付けて、ポンプで空気を吸い出すアイテムです。中の空気を吸い出すことで、劣化の元となる酸素を減らすのです。  高品質の製品であれば、8割方の空気を抜けるので1週間程度は保たせられることがあります。とは言え、真空にはできませんし、ワインの残量が減るほど、空気が多くボトルに残ることになるので、時間が経つほど酸化のスピードが速くなります。  そこで今回試したのが、不活性ガスを使う方法です。要はボトルの中に酸素がなければいいのです。そこで、酸素以外の気体で充填してしまえばいいのです。別の反応を起こしても困るので、科学的に安定している気体を使わなければなりません。これらの気体のことを不活性ガスと呼びます。コスト的に手軽なのが、窒素や二酸化炭素、アルゴンです。今回、この3気体を封入した「プライベート・プリザーブ」をAmazonで購入。標準小売価格では2000円です。
プライベート・プリザーブ

今回飲むワインと「プライベート・プリザーブ」です。今回はボトルキャップが付属していました

「プライベート・プリザーブ」の使い方と注意点

 さっそくワインを飲んでみましょう。フランスはラングドック地方のドメーヌ・ドゥ・バロナーク 2014です。ぶどうはメルロー主体で、カベルネ・フランやシラーなどを使っています。1年間樽熟成しており、アルコール度数は14.5%と高いフルボディのワインです。  複雑で濃厚な果実の香りで爽やかなニュアンスもあります。筆者が苦手な青ピーマン香はなく、樽感もしっかりしており、大好物です。家にストックはしているのですが、お高いのでデイリーでは飲めません。とは言え、最近はホームパーティも開けません。今回の実験はいい口実でした。
プライベート・プリザーブ

ドメーヌ・ドゥ・バロナーク 2014は濃厚で最高に美味です

「プライベート・プリザーブ」の横にストローが2本付いています。使い続けるのでなくさないようにしてください。そのストローを本体に取り付け、ボトルに吹き付けます。ガス缶と同様、ものすごい勢いで出るので液面には近づけないほうがよいでしょう。
プライベート・プリザーブ

予備があるとはいえ、ストローはなくないにようにしましょう

 説明には「750mlのボトルに対して、最初に約0.5秒噴射し、次に短く3回噴射してください。シュー、シュ、シュ、シュの要領です」と記載されています。
プライベート・プリザーブ

ガスを噴射します

 半分残っているのに、指定の噴射をするとちょっともったいないかもしれません。ワインの残量により、空気の量は変わるので、自分で調整したほうがよさそうです。ちなみに、本家のサイトには0.5秒ではなく1秒と記載されているので、日本のほうが親切です。  噴射したらすぐにコルクやキャップを閉めて立てて保存します。中には空気が入っていないので、酸化しないというわけです。もし、空気が残っていたとしても、炭酸ガスやアルゴンは空気より比重が重いので、液面をカバーするので酸化しません。窒素だけだと、酸素や空気よりも軽いのでカバーできないのです。  後日飲んで、また残す場合はそのたびに噴射が必要です。流石にボトルを傾けて注いでしまうと、空気が入ってしまうからです。
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気になる利用回数1回あたりのコストは……
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