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携帯は圏外、車はバッテリー上がり…廃墟探索であわや遭難の危機

 かつては山間部などの過疎地域では携帯電話がつながらないことも珍しくなかった。
電波

写真はイメージです(以下同じ)

 だが、電波の届かない場所は年々減少傾向にあり、2023年度までには圏外エリアがなくなる見通しだという。

林道の奥で車がバッテリー上がり

「確かに、今はかなり山奥でも問題なくスマホが使えますよね。あのときもこんな風に携帯電話が使えていれば、辛い思いをしなくて済んだんですけどね(苦笑)」  そう語るのは、会社員の田村孝満さん(仮名・41歳)。彼には大学生のころ、携帯電話の電波が届かなかった山の中で友人とあわや遭難しかけた苦い思い出がある。 「まだ20歳になったばかりのころだったと思います。当時、廃墟にハマっていてヒマさえあれば、友人と車で出かけていました。夏場と違って秋冬は寒いのさえ我慢すれば、虫も飛んでないし草も枯れてるから廃墟探索にはうってつけです。この日もドライブを兼ねて、朝早くから地元の友人と県外の山奥まで遠出していました」  ちなみにこのときの目的地は、閉山した鉱山跡。ただし、手がかりはネット掲示板に書き込まれていた情報のみで、場所の特定はできていなかった。そのため、ある程度の目星をつけたうえで林道などの脇道を1本ずつ調べていたそうだ。 バッテリー ところが、ここでトラブルが発生。ある林道の奥で車をいったん止めて付近を確認した後、車に戻るとキーを何度回してもエンジンが動く気配はない。バッテリーが上がってしまったのだ。 「途中でバッテリーランプが光ったのは気づいていました。けど、一緒にいた友人は『しばらくは動くから慌てて交換しなくても大丈夫!』と言うし、それを過信してしまったんです。ただ、親に譲ってもらった型落ちの古い車だったため、バッテリーが寿命だったのかもしれません。いずれにしても事態を軽く見てしまった私の判断ミスです」

電話が使えず、電波の届く場所まで数キロ歩いて移動

 しかも、そこは県道から数キロ山の中に入った場所で携帯電話の圏外。田村さんと友人はそれぞれ別のキャリアだったが、どちらも電波が1本も立っていなかった。 「電話が使えれば、友達や家族に助けを求めることもできるし、ロードサービスの業者を呼ぶこともできますが、電波が届かないことにはそれもできない。自分たちのいる場所が圏外だとわかったときは、めちゃくちゃ焦りました」 イメージカット まだ午後2時半を少し回ったくらいで空は明るかったが冬場の日没は早いため、一刻の猶予もならない。そこで2人はとりあえず、車を離れて携帯電話が使える場所まで出ることにしたそうだ。  約40分かけて県道まで戻り、そこからしばらく歩いてようやく携帯電話の電波がつながり、田中さんは弟に電話。事情を説明すると、実家に置いてあった交換用のバッテリーを持って迎えに来てくれるという。
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雪国じゃなくても12月の山は寒い
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