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ギャンブル初心者が勝つためのボートレース用語の基礎知識

ボートレース

最近では女性ファンも増えたボートレース。知れば知るほどに面白い!

 今年は新型コロナの影響で自宅にいる時間が増え、せっかくなので……と公営競技をネット投票で始めた方も多いだろう。だが、過去にやっていたならともかく、初心者がわからない用語をいちいち調べて理解して……となると、非常に面倒である。そこで今回はボートレース用語をまとめてみたので、活用してほしい。

一瞬で勝負が決まるボートレース

 レース競技というものはスタートからゴールまで激戦が続くものだが、ボートレースはその真逆をゆく。令和になって売上の伸びがどのギャンブルよりも良いボートレースの魅力は「勝負は一瞬で決まる」ところにある。なぜボートレースの勝負は一瞬なのか? それは水の上を走る舟の競技だからだ。ボートレースはどの競技と比較しても走りにくい「水上」がコースになっている。つまり、スタートしてから最初にターンをしてついた差が走りにくさによって詰めにくいコースだから、ということだ。  しかし、差がつく勝負は一瞬だとはいえ3周のうち逆転することも多々ある。それはなぜなのだろうか? 初心者にもわかるように専門用語を交えながら説明していこう。

ボートレース用語「レース」編

 ボートレースを知る上でまず重要になるのは、競馬の芝やダート、競輪やオートの舗装走路と違ってボートレースは水の上を走るという点である。水は言わずもがな「液体」だ。液体の上を走るということを理解すれば、ボートレースの基本を理解したといっても過言ではないだろう。そこを今回用語から説明していこう。 【キャビテーション・引き波】  キャビテーションとは一般的に「空洞現象」と訳されるが、液体に気泡が混じっている状態を指している。キャビテーションが生まれる現象には圧力など様々なパターンがあるが、ボートレースの場合は艇がプロペラで水を押し出す際に空気を巻き込んで生まれる航跡に気泡が含まれている。この航跡を引き波とも呼ぶが、空気を含んでいるためこの引き波が残っている状態で後から来た艇がプロペラで押し出すと、水と空気が混じったものを押し出すことになる。つまり、水以外を押し出しているため推進力が落ちるというわけだ。  よって、ボートレースにおいて、先にゆく艇が作り出す引き波によって後続する舟を邪魔することができるというワケである。先に行かれたら追い抜くのが難しくなるのはこれが理由だ。また、引き波ができた直後は水面は平らではなくなり、道で言えばデコボコ道の状態になる。泡が消えてきたといえど、平らではない水面を走らなくてはいけない不利はまだまだ残っているのだ。ボートレースは逃げるが有利、という原則はここから生まれている。 【艇】  ボートレースで使用する舟のことは「艇」と呼ぶ。1番が割り振られた艇は1号艇、といった感じだ。 【ターンマーク】  レースは水面にある2つのターンマークを左回りで旋回して3周する。ターンマーク間の距離は300mあるため、ターンを目印に折り返せば1800m走る競走ということになるが、ターンでは多少は膨れるため実際の走行距離はもう少し長くなる。ターンマークの中間地点にスタート・ゴール線がある。スタートから最初に回るターンマークのことを「第1ターンマーク(1マーク)」、その反対側のターンマークのことを「第2ターンマーク(2マーク)」と呼ぶ。スタートしてから差のない1周目の1マークが大きな差をつけるためボートレースにおいて一番重要な地点ということになる。 【ピット】  レースに参加する艇が係留されている場所をピットと呼ぶ。レース場によって位置は異なるが、2マーク側寄りのに存在している。 【待機行動】  レースへは待機行動から始まる。ピットにある信号を目安に艇の係留が一斉に外され、選手は一斉に艇を加速させてゆく(※ピットアウトという)。ゴールと2マークの間を抜けて好きなスタートする位置を取り合うことになるが、係留が外されてからスタートラインを通過しなくてはいけない時間はレース場ごとに一定の決まった時間が定められているのと、艇はエンジンを回してからはレースまで停止させることはできないため、低速とはいえゆっくりは必ず進んでしまう。このことが後ほどのスタートに影響する。 【大時計】  待機行動時間を示す時計がゴール線の陸上地点付近に必ず用意されており、この時計を大時計と呼ぶ。  待機行動の時間が決められているため、2マークをまわり、スタートラインに正対する向きに艇先を向けた時点でコースを主張することができる。ただし、はやく正対させると艇はゆっくりスタートラインに近づいてしまう。近づけば近づくほど、スタートで困難が待ち受ける。
ボートレース

フライングスタート方式という独特のスタート方式を採用するボートレース。この1秒の間にドラマが生まれる

【スタート】  待機行動時間が終了した直後から1秒以内に、選手はスタートラインを超えなくてはいけない。それよりも早くスタートラインを超えるとフライング、1秒以上かかってしまうと出遅れと呼ばれ、レースへの参加資格を失った「欠場」となり、レースから離れなくてはいけない。スタートを正しくして、初めてレースに参加した、というのがボートレースの考え方である。欠場した目の含まれた舟券は返還される。  ピットが艇番順に並んでいるため、コースの取り合いにならなければ艇番順にスタートへ正対していくが、スタートラインに近づくリスクを負ってもコースを内に求めるのは原則自由である(※レース場によってはコース幅が狭く危ないなどの理由で内規による制限がある)。しかし、スタートラインに近づくリスクはスタート時にスピードをつける助走距離が短くなるリスクともいえ、たとえスタートをちゃんとルール内で決めたとしてもスピードが乗らず、その後の勝負で立ち遅れることになる。メリットはスタート後の1マークで内の艇の邪魔を減らした場所で勝負できるということ。 【進入】  内に艇があるのを厭わずスタートに集中するか、スタートが決められないリスクを背負って少しでも内に入り込むか。そのコース取りを進入という。艇番どおり進入が取り合いにならなかった場合を「枠なり」。外枠の艇が内枠に入ることを「前付け」という。逆にあえて外のコースを主張してスタート一発に賭ける選手もいる。 【スロー・ダッシュ】  内寄りの進入を得るためには早めにスタートラインに正対させなくてはならないため、待機行動で2Mからすぐに正対させる。つまりスタートまでの助走距離は300mを切ることになり、この位置から加速させることをスローという。外寄りのコースは基本取り合わないため、助走距離をつけるために後ろに下げるが、これをダッシュと呼ぶ。原則としてスローを主張している間の艇がダッシュに回ったり、ダッシュを主張している艇の間でスローを主張することはできない。

予想に必要な「記号・新聞用語」編

 次に、ボートレースの新聞などで使われる予想に必要な用語を紹介していこう。ボートレース特有の成績の見方もあるため、要所は押さえておきたい。 【勝率】  レースごとに着順に応じた点数が与えられ、その点数の平均のことを勝率と呼ぶ。1着になった割合のことではないので注意。レースによって何点がもらえるかは出走表などに記載されている。新聞や出走表に記載されている勝率は一定期間の平均点だ。勝率は選手ごと、ボートごと、モーターごとに集計されたものが記載されている。 【2連対率】  2着以上に入った割合のこと。ボートレースは多くの開催で数日間予選を行った平均勝率の高い選手が優勝戦へ進むことができる。上のレースに進むためには勝つことも大事だが、大敗しないことも大事であり、1着成績だけでは不十分で2連対率や3連対率の高さが「良さ」を表している。 【【モーター】  モーターは参加した開催ごとに選手はレース場から借りて整備する。モーターはレース開催の前日に抽選によって決まる。そのため、それまでに使用されていたモーターの調子などは予想において機力の良し悪しを判断する材料となる。

【ボート】

 ボートも開催ごとに選手はレース場から借りて使用する。こちらも抽選によって決まる。 【スタートタイミング・発順】  スタートをギリギリ早く決められるかどうかの過去成績が集計されている。過去の平均から開催中の平均まで集計期間はさまざま。スタートタイミングや発順の早い選手はスタート後の1マークで先制して前でレースができる可能性が上がるため重要な要素だ。 【F・L】  Fはフライング、Lは出遅れを指すが、出走表や新聞にかかれているのは一定期間内でのフライング、出遅れ回数だ。フライングを1回すると30日、2回すると30日+60日、3回もすると30+60+90日もレースに参加できない(※出遅れは1回ごとに30日)。そのため、F回数がついている選手はスタートでフライングにならないよう慎重になってしまい、早いタイミングでスタートできない可能性がある。
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ボートレースの決まり手を解説
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公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

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