仕事

日本を旅するUber Eats配達員、配達エリア外の「臼杵」へ

 僕は普段、日雇い派遣などの仕事で稼ぎつつ、時間を見つけてはタイなどの東南アジアを中心に旅してきた。この状況では海外旅行には行けそうにないが、日本国内ならば比較的自由に動けるようになってきている。旅がしたい。でも、社会の底辺で生きる僕にはお金がない。
ママチャリ

所持金3万円で東京を出発、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら沖縄まで自転車で旅している。写真は、2代目のママチャリ

 そこで「Uber Eats」の配達で稼ぎながら国内を自転車で旅するという方法をとることにしたのである。

Uber Eatsの配達エリア外の「臼杵」

 旅に出て93日目、僕は大分県・臼杵にいた。ここはウーバーの配達エリアではないので、ウーバーのバッグは持たずに自転車で街中を散策した。キリシタン大名として知られる大友宗麟の築いた臼杵城の城下町として栄え、その頃に建てられた武家屋敷や寺院は今でも多く残されている。
稲葉家下屋敷

江戸時代の武家屋敷の様式を色濃く残す稲葉家下屋敷

 歴史好きには堪らない情緒溢れる街並み。しかし、僕の泊まっているゲストハウス「臼杵家」の女将であり、東京・下北沢からの移住者である和気日向さん曰く、「臼杵のいちばんの魅力は人」とのことである。
和気日向

臼杵屋の女将の和気日向さん

 しかし、彼女のその言葉を実感するには今回の滞在はあまりに短かすぎた。2泊3日。そのうち2日は移動日なので実質的な滞在日はわずか1日である。ウーバーの配達で稼いだ分しかお金を使ってはならないというルールで旅しているため、その配達エリアでない街にはあまり長く滞在できないのだ。

歴史情緒溢れる街並み

臼杵石仏

臼杵石仏はその彫刻の質の高さから国宝に指定されている

 街の中心部から少し外れたところにある臼杵石仏にも足を伸ばした。丘陵の岩壁に穏やかな表情の石仏が何体も彫刻されている。平安時代後期から鎌倉時代にかけて作られたらしいのだが、誰がどのような目的で作ったのかはっきりとしたことはわかっておらず、今もなお多くの謎が残されているという。  石仏観光を終えて街中に戻る頃にはすっかり日が暮れていた。通りに何軒かあるスナックはすでに看板に明かりを灯している。日向さんによると、臼杵のスナックは地元の人と仲良くなるのはうってつけの場所であるという。が、僕はそれよりも早く就寝することを優先させた。かなり疲れが溜まっていたし、明日からはまた自転車での移動が待っていたので、とにかく体を休めたかったのである。
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南国の雰囲気漂う宮崎市
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