仕事

織田信長の織田家は現代社会のベンチャー企業そのもの。実力主義をどう生き抜く?

転勤やリストラはトップの気分次第

転勤 一見、家臣として仕えるのであれば、理想的な環境にみえる織田家。若者にも人気が高そうだが、ワンマン社長のもとで働くのは、そう楽なことではない。  なにしろ、織田家では、合戦に参加する頻度が高かった。また、戦略のためには、地方に飛ばされたし、信長の意に添わなければ、容赦なく更迭、つまりクビにされることもたびたびだった。信長自身は自由奔放に振る舞うが、家臣は高い忠誠心を求められ、絶対服従が常である。  つまり、信長の意向をきちんとくんで結果を出せる武士にとっては、実力主義の申し分ない環境だが、そうではない武士にとっては、過酷な職場環境だといえるだろう。

プロセスは問わず、結果を出すべし

「もしかしたら、自分の会社って織田家っぽいかも……」  入社してそう感じたならば、プロセスは気にせず、どんどん結果を出していけるようにがんばろう。もちろん、メールは必ず即レス。判断に時間を要する内容でも、受け取った旨の返信は秒で返すこと。とにかく相手はせっかちだということを忘れずに。  そして、誰も引き受けない仕事は大チャンスだ。「金ヶ崎の戦い」で殿(しんがり)という危険な任務を引き受けて出世した秀吉のように、汚れ仕事を積極的に引き受けるだけでも、存在感を示すことはできる。  織田家タイプの企業では、「何とかなるだろう」の精神で、難題にも前向きに挑む姿勢を見せるようにしよう。<文/真山知幸>
1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年に独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。著書『ざんねんな偉人伝』『ざんねんな歴史人物』は累計20万部のベストセラーとなった。そのほか『偉人メシ伝 』『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』など著作50冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『逃げまくった文豪たち』『おしまい図鑑』。X(旧Twitter):@mayama3
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