更新日:2021年03月01日 20:23
お金

借金500万円男の逆転策は競馬。フェブラリーSに天才軍師を迎え入れた結果

カフェファラオが強い理由

 フェブラリーステークスを買うことを伝えると、競馬の先生は競輪で浮ついた軽い口を開き始める。 「まず、カフェファラオに関しては誤解されているんですよ。出走馬を見て無敗とかそういう馬がいないように見えるので一見難しいように思われますが、実は違う。このカフェファラオ、とんでもない強さを持った馬なんですね。この馬が負けたレースには全て明確な理由がある」 その姿は、ラップバトルで闘うときのR-指定かエミネムのようだった。 「7月のジャパンダートダービーでは元々このレースの適正が無いダノンファラオが勝つという大荒れっぷり。カフェファラオの力は本物ですが、唯一の弱点はその繊細さ。スタミナもスピードも申し分ないくらい強いのですが馬群に揉まれると弱いです」 「じゃあぶっちぎりの一位か、飛ぶかですか?」 「その認識でいいと思います。次に中京。これは枠が悪かった。中京のスパイラルカーブに負けてしまったんですね。適正の無い場所で負け、逆に適性のある場所ではきっちり勝ち切る。例えばユニコーンステークス。このレースでは驚異的な上がりのタイムを見せています」  もうその目は記憶の中のカフェファラオを見ていて、僕らに焦点は合っていなかった。競馬オタク、と言う言葉が浮かぶ。僕としてはもう、どの馬を買えばいいかを聞いてしまいたかった。 「今回カフェファラオ以外でいい馬がいるとすればアルクトスですね。直線に強いので東京競馬場の適正はあります。さらに田辺騎手のコメントも良い。彼は元々そんなにポジティブなコメントをするタイプではなかったのですが、今回ははっきりと良いと言い切っています。その証拠がこの記事です」

伏線

 携帯を取り出し、どこかのネット記事を検索し始める。「アルクトス」で検索しているのではない。自分の記憶から逆引きしているのだ。厩舎や騎手のコメントまで覚えている巣の姿にはかつてインターネットに生息して2chにフラリと現れては専門知識を披露し、匿名のまま消え去っていく人のようだった。ザ・インターネット。もうこのまま競馬の記事を自分で書いてしまった方が面白いのではないか。  聞いた内容をざっくりまとめるとこんな感じだった。 ・カフェファラオがぶっちぎり。1着になれないなら飛ぶくらい崩れるが今回はその心配は極めて少ない。 ・競うとすればアルクトスとサンライズノヴァ。 ・2、3着を争うのはワンダーリーデル、ソリストサンダー、エアアルマス、エアスピネル、ワイドファラオ、レッドルゼル。  最高の味方を携え、2021年を占うギャンブルが始まる。軍資金は3万円。競輪の勝ち分とガス代だ。
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GI開幕戦当日
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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