お金

借金500万円のギャンブル狂が、初めて競輪に挑戦。金銭感覚の“守破離”を説く

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は38回。  今回は、久々のギャンブル回、競輪です。
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「タダでできるみたいですよ」

 違法薬物やマルチ商法の沼から抜け出すのに、人間関係の清算が必要不可欠だと言われることがある。居心地のいい沼にいる人間にとって、それは不思議で怪しい光景に見え、善意や焦りから引き留めたり攻撃したりすることもあると言う。 「ウィンチケットに登録すれば1,500円もらえるみたいなんですけど、競輪やります?」  沼から這い出た腕が、シャバで働く刺激の足りない僕の足を掴んだ。  日刊SPA!の担当だった。彼は働き詰めでギャンブルによる毒気が抜けていく僕を見て、いてもたってもいられず、とうとう「自分もやるから」と、ギャンブルに誘い始めた。ジャパンカップで5万円借りている僕はすぐに承諾した。債務者がどう言えば動くのか、貧乏人リサイクル工場「SPA!」で働く彼はよく知っていた。  ウィンチケットと言うのは競輪とオートレースの車券購入アプリのことで、本人確認登録まですれば「車券購入専用ポイント」が手に入る。沼の中にいる人は皆、この購入専用ポイントのことを現金だと思い込んでいるが、実はそうではない。予想して、買って、当てなければ現金として使うことはできない。ここに落とし穴がある。公営ギャンブルは国が認めたギャンブルのくせに、 「今なら200連無料!」 と喧伝しているソシャゲと同じことをしているのだ。

フット・イン・ザ・ドア

 フット・イン・ザ・ドアと言う心理学の用語がある。小さなお願い事を承諾してもらい、次第に大きなお願い事にズラしていき、最終的に目的を達成する方法だ。ドアに足だけ突っかからせて「お話だけでも」と粘る営業マンのイメージに、その姿を見る。  登録するくらいなら無料だしいいか。  面白かったし100円くらいならいいか。  これ当たったら1万円だし、1,000円ならいいか。  取り返さなきゃいけないから5万円賭けるぜ。  これで人生を取り戻す……100万円だ……!  ここまでの行程を「金銭感覚の守・破・離」と呼ぶ。まず自分で作ったルールを守り、一歩大きな金額のためにその自分ルールを破り、そして人間を離れていく。
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競輪の先生の登場
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