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個人情報問題で揺れるLINEは人の生活を幸福にするのか?注目したい4つの分野

スマホのトーク画面

LINEとヤフーが統合することで、私たちの生活は「豊かに」

 人類は経済成長という目的を果たし、幸福度もプラトー(一定)に入っています。今のステージで求められているものが「効率化」です。その効率化を体現しているものの1つがLINEでしょう。無料で簡単にコミュニケーションを取れる「お得感」や、煩雑さから解放されることで「時間的・経済的豊かさ」を感じることができます。  しかし、この豊かさをGDPのような数字で表すことは、まだできていません。そう、世の中にはGDPでは示せないけれど、「価値があるもの」が存在しています、つまりGDP+(i)という新しい軸が必要なのです。  いまやほとんどの人が利用しているLINEとヤフーの統合により、私たちの生活に魅力的なサービスが提供されることで、更なる「豊かさ」をもたらしてくれると予想しています。具体的にどんなサービスが展開予定なのかを見ていきましょう。

経営統合後の目指す姿と注力分野

 具体的に、強化セグメントは4つの分野です。 1.eコマース(電子商取引) 2.飲食店・旅行予約 3.フィンテック 4.行政・防災

1.eコマース

「LINE」を活用した新しい買い物の体験の提案をしています。「LINE」で誕生日などに友だちにギフトを贈ることができる「LINEギフト」の機能は利用したことはありますか?  私は、昨年のクリスマスに友人から「スープストック」のスープセットをLINEギフトのプレゼントでもらいました。メッセージには「まぶっちゃん。メリークリスマス!スープでも飲んで身体をあっためて」とありました。コロナでしばらく会えていない友人からのLINEギフトには、心温まるものがあり、深く印象が残っています。  この機能は将来的に「Yahoo!ショッピング」などと連携し、多くの商品から贈り物ができるようにしていくようです。効率的ですが、どこか人間らしさを感じるサービスです。  そのほか、コロナで盛り上がりを見せており定着しつつある「ライブコマース」を見ながら「共同購入」できる機能も展開していきます。インフルエンサーが紹介している動画を一緒に見ている人と交流して「共同購入」することで、商品を安く購入できます。

2.飲食店・旅行予約

 飲食予約や旅行予約などでは「Yahoo!ロコ」「一休.comレストラン」「LINE PLACE」などの複数のサービスからの予約・送客や、AIを徹底的に活用することで、ユーザーとのマッチング精度の向上を目指していきます。また、フードデリバリー「出前館」の日本最大規模のデリバリーインフラの活用を検討しています。飲食予約、旅行予約の「DX」をある意味、担っていると言えます。  広告においては「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」が連携することで、事業者向けに新たなマーケティングソリューションを提供していきます。これも、プラットフォーム力の効果が大いに発揮される分野でしょう。例えば、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」のメディア上などで広告を配信し、特定の商品を購入した方だけの、お得なクーポンを届け再購入を促すなど、効率的かつ継続的にアプローチすることが可能になります。企業にとっては無駄な広告を減らして、効果の高いマーケティングが可能となります。  ユーザーにとっては、ノイズの少ない情報を受け取ることができるようになります。広告が「うるさく」感じることも多くなってきています。これも、直接的な数字に表しにくいかもしれませんが、「ストレスのない広告」も人々の「豊かさ」に通じるものがあります。
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決済、行政の分野は何が変わる?
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