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菅内閣の打開策はただ一つ。4月26日に内閣改造だ/倉山満

「味方のフリをした敵」二階俊博幹事長

 挙句に、政権を支えるはずの二階俊博幹事長までが、「オリンピックをやめるなら、きっぱりやめるべきだ」とか「早期解散はやめたほうがいい」などと言い出した。こういうのを「味方のフリをした敵」と言う。オリンピックを中止して、総選挙が任期満了解散になった場合、菅首相が野垂れ死にしない方法があるのか知らないが、頼みの綱はいつもの野党、ということか。  しかし、このまま支持率が低空飛行でグダグダのままの政治が続いた場合、自民党政権は存続するけれども議席大幅減の責任で菅首相は退陣、総選挙で代議士に返り咲いていた小池百合子が二階幹事長に推されて後継首相に、などという悪夢にもなりかねない。

首相に哲学がなければ、コロナ禍では誰がやっても同じ

 私個人としてはオリンピックなど白人の祭典としか思っていないし、「オリンピックが決まったから消費増税をしても大丈夫だ」などとはしゃいでいた自民党にも辟易だ。  だが、菅内閣の立場からすると、やり切るしか選択肢はない。他に代わるマトモな首相がいないのだから、何とか菅内閣で頑張るしかない。コロナ禍では誰がやっても同じことしかできないと考えるなら、就任7か月の首相を引きずりおろすのは不合理だろう。  では、なぜ「コロナ禍では誰がやっても同じ」なのか。首相に哲学が無いからである。哲学が無い政治をやるから、野党に好き勝手に嬲られ、立ち往生する様子が全国ネットで流れ、漁夫の利で小池百合子が国民の支持を伸ばす。

打開策はただ一つ。4月26日に内閣改造大木隆生コロナ担当大臣だ

 では、哲学のある政治を行うにはどうすればいいか。打開策はただ一つ。4月26日に内閣改造大木隆生コロナ担当大臣。これしかない。  なぜ、これが唯一の打開策であり、哲学のある政治につながるのか。  まず、今の政治では、通常のセオリーが通じない。普通、政権は改造を行うたびに弱くなり、衆議院を解散するたび強くなる。だが、今は解散権が封じられている状態だ。一般国民の多数と創価学会の大半が、コロナを怖がっている。この状況で解散を断行しても、浮動票も固定票も逃しかねない。解散をするにしても、コロナ禍を何とかしなければならないのだ。それには政治家の大臣では無理だ。
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なぜ首相は「国民の次は医師会が根性を出せ!」と迫らないのか
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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