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飲み会はダメで、東京五輪だけは意地でもやる理由は何なのか/倉山満

 首都圏だけ緊急事態宣言が続けられていたが、ようやく終わってくれた。そして、いくつかの大きな変化があった。
言論ストロングスタイル

コロナ禍で「医療崩壊」強調してきた尾身茂氏も同席した3月18日の会見で、菅義偉首相は感染の再拡大を防ぐ5つの柱のうちの一つとして、医療体制の強化を掲げた 写真/時事通信社

   最大の変化は、医師会の敗北だ。  たった1か月前、政府の助言者の医師たち(主に尾身茂)と医師会(つまり中川俊男会長と尾﨑治夫東京医師会会長)は、「医療崩壊寸前だ。しかし、医療の充実など不可能だ。だから国民が根性を出して自粛しろ」と脅していた。この脅しに政府はなすすべがなかった。  ところが緊急事態宣言を解除する際に政府は、「医療の充実が切り札だ」と打ち出した。  ここでゼロコロナ論者こそ怒るべきだ。一部の医者たちの大ウソに。コロナはペストのように危険な伝染病であり、医療体制の充実など簡単にできないのだから、国民が我慢するしかないと信じ込まされてきたのだから。  ところが、「医療体制の充実」を言い出した。そんな簡単にできるのなら、今までの我慢は何だったのか。あるいは、政治と妥協したのか。ならば、科学者としての良心を捨てたということになる。いずれにしても、怒るべきだ。  怒る理由は、まだある。政府はオリンピックの開催と、海外からの観客の排除を決めた。コロナがペストのように危険な伝染病ならば、無観客だろうがオリンピックなどやっている場合ではなかろう。

オリンピックだけは断固としてやる理由は何なのか

 一方で、国民には「花見に行くな。卒業式も謝恩会もやめろ。飲み会などもってのほか。飯を食う時は黙って食え」などなどと、いまだに強制している。  では、国民にここまで我慢をさせておく一方、オリンピックだけは断固としてやる理由は何なのか。政府の助言者の医師や医師会の幹部など、何の科学的知見も持ち合わせていない、ただの政治屋だ。この事実に、少なからずの国民が気付き始めているのだ。
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政府の国策を振り回していた医師会
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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