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130万円で買ったパテックを手取り150万円で売った話

同じモデルでも微妙な差が…

パテックフィリップゴールデンエリプス3738/100J-012

「人気の1本」というよりも、かなりマニアックな部類だが、3年楽しんで約20万円の利益となった。

 ちなみに、ゴールデンエリプスは1968年に登場して以降、ほぼ形が変わっていないわけですが、じっくり見ると微妙な差があります。  また、私が購入した3738というモデルが登場したのは1970年代ですが、その後3738/100になり、2005年に3738/100J-012となった経緯があります。同じ3738でも、3738/100J-012とそれ以外では、雰囲気が違うため、私は多少高くとも、当時最も新しかった3738/100J-012を狙うこととしました。  3738というモデルは、自動巻の機械が搭載されたモデルで、ケースサイズが手巻きのモデルよりも大きめ。そのため、2017年の相場は、手巻きだと50万円台で購入可能だった一方、自動巻を狙うならば110万円以上という予算を覚悟しなければなりませんでした。  さらに私が狙いを定めていてた3738/100J-012は、当時の現行モデルということもあって、それよりも若干高値。また、数が極端に少ないため、中古として売り出されることもめったにありません。  結果的に私は4ヶ月ほど探した後、ようやく3738/100J-012を入手。購入先は、東京のコメ兵で、価格は129万8000円でした。  ちなみに、コメ兵では、商品の取り置きサービスを行っていたため、私がゴールデンエリプスを買うかどうかの判断には、数日間の猶予が与えられるという状態でした。普段であれば、腕時計の購入は「即決」が基本の私ですが、この時はなぜ悩んだのかというと、ゴールデンエリプスは、いざ売ろうと思っても「売りづらい」と思ったからです。  もちろん、ノーチラスのような注目度となれば「売りづらい」ということはありませんが、そのような事態にならなければ「売りづらい」モデルに違いありません。  そのため、本当にほしいのかどうかを自問自答する時間を設け、他の腕時計などと比べた結果、「たとえ売りづらいとしても、欲しい」という結論に到達。そうして、私はゴールデンエリプス3738/100J-012を購入したのです。

売却を決意したワケは?

パテックフィリップゴールデンエリプス3738/100J-012

光によって表情が変わる

 購入後、私はこのゴールデンエリプスをとても気に入りました。「良い」と思って買っても、買った後になって「違った」と思ってしまう腕時計がありますが、このゴールデンエリプスそうではありません。ですから、ゴールデンエリプスに対して「買ったことを後悔した」という思いは、1度も経験しませんでした。  しかし、そんなお気に入りのゴールデンエリプスを、今回売却しようと思ったのです。  なお、ゴールデンエリプスを購入した2017年、「いずれノーチラスのような存在感になる」と思っていましたが、それから3年以上が経過した今においても、そのような現象は起きていません。むしろ、ゴールデンエリプスは2017年と同じように、現在でも「マニアックな部類」だといえるでしょう。  ではなぜ、このような中途半端なタイミングで売却したのかというと、純粋に「売りどき」だと感じてしまったからです。これは、個人的な迷信のようなものなのですが、腕時計を買って数年が経過した頃、「つけると肩がこる」という現象が起こることがあります。今までの経験上、そうなると「そろそろ売りどき」となるわけで、今回のゴールデンエリプスもそういった理由で売ろうと決心したわけです。  しかしながら、買うときに予測していたように、ゴールデンエリプスは「売りづらい」モデル。ですから、売り方を考えなくてはなりません。  高級腕時計の売却にはいくつ可能方法があるのですが、このゴールデンエリプスに最も適した売り方は「委託販売」だといえます。
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委託販売のメリットと制約
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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