更新日:2021年05月21日 21:00
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オリンピックは儲からない。それでも開催するべき理由 飯田泰之×猫組長

絶望の中だからこそ見える光明

五輪猫組長:経済効果だけを考えればまさにそうでしょうね。ただ僕は、ここまで来てしまったら、中止という選択肢はあり得ないと思う。昨年の早い段階で「損切り」を決めたなら意味はあったけど、アスリートやスポンサー企業をここまで待たせた揚げ句の中止では、国の信用も吹っ飛んでしまいます。なにより選手のために開催してほしい。池江璃花子選手のように、みなオリンピックを希望に生きているのだから。 飯田:感染リスクを考えれば、無観客開催の一択でしょうね。 猫組長:なんかお先真っ暗な話ばかりになってきたけど、絶望の中だからこそ見える光明っていうのも、僕はあると思う。アフターコロナの世界は、言うなれば戦後の焼け野原。これまでの既得権益が淘汰され、新しいチャンスがいっぱい芽吹く。だから、幸せのために、もっと図々しく生きてもらいたい。  困窮しているのに、真面目に融資を申請した人がお金を借りられなかった話をよく聞きます。書類にウソを書いてはいけないけど、そこは少々、少々ね(笑)。詐欺は絶対にダメだけど、借りられるものは借りて、もらえるものはもらわないと。悪いヤツらは本当にたくましい。闇市から再出発するためにも、そこだけは見習ってもいいと思う。 飯田:実際、コロナが収束したら、政府はスタートアップ融資枠や再起業のための補助金を手厚くするでしょう。そのときは新しくビジネスを始めるにはチャンスですね。 【投資家・猫組長】 神戸市生まれ。元山口組系二次団体幹部。若くして反社会組織に身を投じ、仕手戦やインサイダー取引を経験。今年4月には新刊『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』(扶桑社)を出版 【経済学者・飯田泰之】 1975年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部准教授。専門はマクロ経済学、経済政策、日本経済論。内閣府規制改革推進会議委員。著書は『経済学講義』(ちくま新書)、『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所)など多数 <取材・文/根本直樹 撮影/山野一真>
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猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論

元経済ヤクザ「猫組長」&漫画家「西原理恵子」 異色のタッグが疾走した「週刊SPA!」人気連載が堂々完結!

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