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「LGBT応援映画とは、おこがましくて言えない」。映画『息子のままで、女子になる』の監督・杉岡太樹

多様性という言葉さえ窮屈に感じさせる監督の矜持

©2021「息子のままで、女子になる」

©2021「息子のままで、女子になる」

 パンテーンのCMに出演し、一躍、次世代のトランスジェンダーを代表する存在になったサリー楓。彼女に密着したドキュメンタリー映画『息子のままで、女子になる』が6月19日全国公開された。監督は『選挙フェス!』(’15年)で話題となった、杉岡太樹だ。20代をニューヨークで過ごした杉岡にとって、LGBTは身近な存在だった。 「通っていた美大ではアジア人の僕のほうがずっとマイノリティでしたね。肌の色、セクシュアリティだけでなく、感覚もみんな全然違う。半袖を着ている人の隣にダウンを着ている人がいたり。  こういう映画を撮ると、『LGBT応援映画ですよね?』と決めつけられがちですが、そんなこと僕はおこがましくて言えない。僕が応援できる立場で、LGBTは応援される立場かどうか、誰が決めるんですか?」  男性として入学した大学で建築を学ぶ楓は、卒業後は女性として生きることを決め、ビューティーコンテストへの出場を決意する。

映画を撮る決意をしたのはなぜか?

 杉岡が彼女のドキュメンタリー映画を撮る決意をしたのはなぜか? 「コンテストに臨む楓さんにダンスや歌の指導をしていたのが、友人のスティーブン・ヘインズだからです。彼に誘われてスタジオでのレッスンを撮影してみたら、あらゆる意味でフォトジェニックだった。  楓さんの容姿が端整なことはもちろん、不安そうな表情、不器用な動き。そして、何ひとつ隠そうとしないところ。言葉では言い表しがたい存在感がありました」
杉岡太樹

杉岡太樹

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両者の緊張がヒリヒリ
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