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「ジブリみたいな家にしたい」南房総の“30万円廃墟”を30代男性が買った理由

「家を復旧させたい」という思い

 その物件に以前住んでいたのは、都内在住のある音楽家。南房総の一戸建てを、別荘のように使っていた。その証拠に、廃墟の中にはグランドピアノや譜面台が残されている。売主はその音楽家の息子で、遠方に住んでいて物件の管理が難しくなったため、「家いちば」で売り出した。
廃墟

家の中に残されていたグランドピアノ

「売主さんは、家に思い入れがあったみたいですね。売りに出したときは解体前提だったみたいですが、ぼくが『家を復旧させて何かに活用したい。そしてグランドピアノも復活させたい』と伝えたら、共感していただけました」  物件の購入はオークション形式になり、最終的には高橋さんが30万円で落札。司法書士代や登記費用などを含めると、総額で約50万円ほどかかったという

材料の購入費用は20万円ほど

 物件を購入したのは、昨年12月28日。翌29日には復旧作業をはじめ、元旦も作業を続けた。 「最初は壁とか天井材が散乱していて、家の中が泥の山みたいになっていました。まずはそれを外に出して、片付ける作業から始めました。復旧作業は、内装と外壁塗装のプロである知り合いのおじちゃんと、電気工事士の資格を持っている幼なじみに手伝ってもらっています。みんな、趣味で手伝ってくれていますね(笑)」  家の復旧に必要な材料は、ヤフオクで安く買ったり、廃材をもらったりして調達しているという。現在、材料の購入費用は10万~20万円ほど。「家の復旧にかかる費用は、物件の購入費と材料費を合わせても100万円以内におさまるのでは」と話す。
廃墟

廃材を活用して家の復旧を行っている

「現状、復旧の進捗率は30%くらいです。まず屋根を終わらせて、床、そして壁の順番で復旧させていきます。そして最後に、ピアノの音が鳴るようにします。いまはまだ、ピアノが腐った状態になっているんですけどね」
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完成形は「借りぐらしのアリエッティ」
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