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「ジブリみたいな家にしたい」南房総の“30万円廃墟”を30代男性が買った理由

完成形は「借りぐらしのアリエッティ」

 高橋さんが思い描く完成形は、外観がスペインの港町にある真っ白な家。そして内観は、ジブリのような雰囲気にしたいという。『借りぐらしのアリエッティ』に出てくる、アリエッティの家をイメージしているそうだ
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外観は、スペインの港町にある家が理想だという(画像はイメージ)

「お風呂には、洋画に出てくるような猫足のバスタブを置こうとしています。もちろんトイレも新しくしますよ。キッチンは汚いんでつくり直しちゃいます。あとは、キッチンに螺旋階段をつくって、2階のテラスに出られるようにしたいですね。近くの海に電柱みたいな流木が落ちていたので、それを螺旋階段に使いたいです」  家のほとんどすべてを、自らの手でリノベーションしようとしている高橋さん。いくらDIYが好きとはいえ、なかなかできることではない。いったい何者なのだろう――。

レストランのセルフビルドや古民家再生の経験も

 また、母親と2人で、千葉県木更津市のイタリアンレストラン「kamarmakan (カマルマカン)」の切り盛りもしている。そのお店はなんと、母親と2人で”セルフビルド”したというから驚きだ。
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海上コンテナを改造して建てられた「kamarmakan (カマルマカン)」

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カマルマカンの内部

「お店は、海上コンテナを改造して建てました。おととしの1月4日からお店をつくり始めて、同じ年の6月にオープンしました。このときも、ヤフオクで安く材料を購入したり、廃材や解体部品を活用したりしましたね。たぶん普通にお店を建てたら1000万~2000万円かかりますけど、うちのお店は200万円くらいで済みました」  高橋さんは小学生時代に燻製ベーコンに興味を持ち、自分でつくり始めた。そのときに、“手作り”の楽しさを覚えたそうだ。また、母親が日頃から“モノづくり”をしていたのも大きく影響している。 「母はモノをつくるのが得意で、手作りのバッグがファッション雑誌に何回か載っていました。ぼくが何でも自作するのは、母の影響かもしれないですね。15~16歳のときには、車やバイクのエンジンを分解してメンテナンスをしていました(笑)。工具の扱い方は、それで覚えましたね」  高橋さんはほかにも、京町家の古民家再生にたずさわった経験がある。なるほど、セルフビルドや古民家再生の経験があるなら、セルフリノベーションができてしまうのも納得だ。
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1泊1万円の民泊にして、みんなで楽しめるように
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